ENEOS(大田勝幸社長、東京都千代田区)とゼロスペック(多田満朗社長、同北区)は6月29日、スマートセンサーおよびモニタリングシステムなど「IoT技術を活用した灯油配送最適化事業」に関してパートナー契約を締結したと発表。
同事業は、ゼロスペックが開発したIoTスマートセンサーを消費者の灯油ホームタンクに設置し、タンク内の在庫情報を取得、在庫情報をモニタリングすることで、最適な配送タイミングを把握し、効率的な配送を可能とするもの。
スマートセンサーは、ホームタンクの蓋と一体型でタンク内の液面レベルを検知し、無線で在庫量データをクラウド環境に蓄積する。センサー本体および通信にかかるコストの低減、電池の長時間持続等に強みがある。
モニタリングシステムは、クラウド環境に蓄積された在庫量、対応の緊急性などの制約条件に基づき、最適な配送タイミ ングを把握できるソフトウェア。
2018年度から北海道および東北エリアで実証実験を実施し、配送にかかる走行距離や時間の削減効果などの有用性を確認。消費者にタイムリーに灯油を届けるとともに、灯油配送事業者が直面している人手不足および配送経費の削減といった課題の解決が期待されている。
2020年度下期より、北海道および東北エリアのENEOS系列特約店へ展開し、将来的には、展開エリアの順次拡大やAI分析による最適配送計画の自動策定、さらには、その他の油種への転用や取得情報の需要予測 などへの有効活用を目指す。
両社では、「デジタル技術を活用することで、灯油供給ネットワークの維持を図り、エネルギーの安定供給および地域社会の発展へ貢献していく」としている。