インターステラテクノロジズ(稲川貴⼤社長、広尾郡)は3月26日、JAXAと「打上げ輸送サービスの調達に関する基本協定」を締結したと発表。
同協定は、JAXAが公募した超小型衛星ミッションで開発された衛星を打ち上げる民間事業者を選定するもので、スタートアップ等による宇宙輸送サービスの事業化を打上げ発注契約によって支援する。同社は今後の発注契約において優先される「打上げ事業者A」として選ばれた。
同社は2023年9月、スタートアップ等による研究開発を促進する文部科学省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)」にも採択されており、低価格で高頻度な民間宇宙輸送サービスを国内で早期に実現するため、研究開発と打上げ契約発注の両面でサポートを受ける。
同社では引き続き、信頼性とコスト競争力を両立させた小型ロケット「ZERO」の開発を通じて、国内の自立的な宇宙アクセス維持・拡大に貢献していくとしている。
ZEROは、近年の市場拡大を牽引している小型サイズの衛星をターゲットにした小型ロケット。民間単独では国内初となる宇宙到達実績のある観測ロケット「MOMO」で得られた知見を土台に、初号機打上げを目指して開発を進めている。
ZEROが提供する宇宙輸送サービスは、一気通貫の開発・製造体制で実現する1機あたり打上げ費用8億円以下(量産時)の「競争力のある価格」と、多様化する衛星のビジネスモデルに合わせて専用に打ち上げる「柔軟性」が強み。
国内の自立的な宇宙輸送サービス構築に貢献するとともに、アジア・オセアニアや欧州市場におけるポジション確立を目指している。