幸楽輸送(不動直樹社長、札幌市清田区)と苫小牧埠頭(海津尚夫社長、苫小牧市)は1月20日から2月17日まで、道央圏〜釧路圏の長距離輸送において、トレーラ交換方式の幹線中継輸送の実証実験を行う。中継地点は十勝圏(音更町・芽室町)にある両社の拠点に置き、ドライバーの労働環境改善と輸送効率改善などの効果を検証する。
今後の恒常的な取り組みに向けて「スケジュール通りに運行できるか」「ドライバーによるトレーラー交換のオペレーションがスムーズに行われるか」「異なる荷主の貨物を輸送した場合の役割分担や責任区分の確認」など、約1か月間かけて課題を抽出する。
幸楽輸送はこれまで、親会社の北海道コカ・コーラボトリングなどの製品を道央圏から釧路圏まで輸送する際、自社グループのアセットを活用し、苫小牧埠頭も釧路圏で集荷した産業資材などを道央圏まで運ぶ際には自社グループで対応してきた。両社は以前から取引関係にあったことから、昨年の夏頃から中継輸送の実施に向けて調整を進め、今回の実施にいたった。
実験では、道央圏発・釧路圏発ともに週3便を運行。道央圏〜十勝圏間の運行は幸楽輸送が担当、釧路圏〜十勝圏の運行は苫小牧埠頭のグループ会社の大北運輸(藤永浩介社長、苫小牧市)が担当する。両社は、中継輸送により、ドライバーの労働環境改善を図るほか、帰り荷を確実に確保し、輸送全体での積載率の向上を進める。両社が共同で中継輸送を行うことで、往復輸送がほぼ100%実現し、輸送効率が大幅に改善される見通し。
本格稼働した場合、両社はドライバーの運転時間を年間2400時間削減できると見込んでいる。また、CO2排出量も46%削減できるとしている。
幸楽輸送では「北海道の物流を止めない事を大前提に考えた場合、このような取り組みがもっと増える事が予想される。ドレージ出来る場所や拠点がある事や、リードタイムが合う事、運賃が見合う事、輸送形態(ドライ、チルド、箱車、ウィング車)など条件が一致する事がとても重要。今後も輸送会社間での連携を拡大していきたい」としている。
苫小牧埠頭では「実用化へ向けた取り組みとして、協業による新たな輸送モデルの構築を通じて、人・地域・社会・環境に配慮した、持続可能で高付加価値な物流ネットワークの構築を進めていく」としている。