ヤマトHD FSE エスコンフィールドで最新の物流の取り組みを公開 ロボットによる物流効率化と体験価値の提供

ヤマトホールディングス(東京都中央区)とファイターズスポーツ&エンターテイメント(FSE、北広島市)は7月11日、北海道日本ハムファイターズの本拠地エスコンフィールドHOKKAIDO(同)で物流についての最新の取り組みを公開した。ヤマトグループとFSEは2023年3月に物流パートナーシップ契約を締結し、エスコンフィールドを中核とする北海道ボールパークFビレッジの物流最適化の取り組みを進めている。

この日は、人の歩行に追従する自動走行ロボット「SUPPOT(サポット)」によるビール樽の運搬作業の効率化と、自動運転ロボット「Yours Robotics(ユアーズロボティクス)」を活用した移動販売のデモンストレーションを行ったほか、同エリアでの物流の取り組みを解説した。

エスコンフィールドでは今年4月にサポットを1台、5月にユアーズロボティクスを3台導入。 ビールの運搬では従来の10倍の量(ビール樽60個)を1度に運ぶことができ、球場内の約60の飲食店などへの納品時間を4時間から2時間へと半減させている。移動販売は実証実験中で、人を検知しながら自動で球場内を走行し、消費者はスマホを活用して商品を購入できる。

ヤマトHDの齊藤泰裕イノベーション推進機能シニアマネージャーは「Fビレッジではロボットの活用や無駄のないサプライチェーンの構築など物流による地域活性化モデルの開発を進めている。域内の物流は、地域事業者の協力でヤマトグループが発送段階から荷物量や日程を把握し、さまざまな種類の商品を多頻度でフレキシブルに納品・配送する体制を構築しており、『止めない物流』を体現している。北海道を起点として、このモデルを広く展開させていきたい」と述べた。

また、エスコンフィールドについて「自動運転ロボなどは公道での実験や実装には規制があるが、施設内ではより自由な実証実験が可能。さまざまなテクノロジーを実証し、フィードバックしながらサービスの開発を進め、提供していくことができる」と評価した。

FSEの三谷仁志常務(事業本部長)は、「10年前はこの地に何もなかったが、ヤマトHDには最初に立ち上げたコンセプト『共同創造空間』という考えに共感していただいた。これは街をつくっていくと標榜したもので、物流を起点に社会解題の解決、体験価値の提供を行いたい。新しいテクノロジーやロボティクスの活用により、エスコンフィールドの価値がより高まっていく。テクノロジーは大きな感動を与えられ、これに触れることでワクワクできる。これからも新しい技術を活用するフィールドとしていきたい」と語った。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする