カンボジアでカシューナッツの農園開発と生産・流通・物流事業を進めている萠運輸(近澤洋太社長、苫小牧市)は6月15日、地域交流拠点のココトマでクラウドファンディングでの支援者などに向けた「カシューナッツファーム報告会」を開き、これまでの経過や今後の展望について報告した。
カンボジアから、現地マネージャーのカメラ氏が来日し、ファームの状況などを説明。会場では、カンボジア産のコーヒーやハーブティー、カシューナッツを使ったクッキーやパンなどを提供したほか、クラウドファンディングの返礼品を手渡した。
同社はカシューナッツ事業の展開に際して、今年1〜2月にかけてクラウドファンディングを活用し資金調達を実施。この結果、クラウドファンディングサイト経由で129人が166万3500円を支援、このほか36人が同社に直接63万7000円の現金支援を行い、合計で165人から230万500円の支援金を集めた。当初の目標金額の100万円を大きく超える金額となり、近澤社長は「全国から多くの支援をいただき、感謝申し上げる」と述べ、これらの資金を「管理棟でのソーラーシステム設置」「地下水くみ上げポンプの設置」「鶏糞確保に向けた鶏舎の整備」「牛の侵入防止の為の柵の設置」「有機肥料の購入」「虫除けの為のニームの木購入」などに充てると報告した。
同社長は「カンボジアで栽培されているカシューナッツのほとんどがベトナム産として世界中に流通しており、これを『カンボジア産として流通させたい』と考え、昨年11月に16haの農園を購入した。日本式農業のノウハウを取り入れ、無農薬による安心・安全で付加価値の高いカンボジア産カシューナッツのモデル農場を作っていく。有機JAS認証を受けることが目標で、この手法を近隣の農場にも広め、良質なカシューナッツの生産地としてカンボジアの知名度向上と地域振興に取り組みたい」と話した。
ナッツの生産・流通の仕組みを整え、同社ではこの物流業務の受託を行う考えだ。
同社では、来年2月にカンボジアでのカシューナッツ畑視察ツアーを計画しており、将来的には地元の苫小牧市を拠点として、自社生産のカシューナッツやカシューナッツを使ったスイーツ・健康食品などの開発・販売も視野に入れている。