JALなど4社 新千歳空港で廃食油を使用したBDFの通年運用を開始

JAL(東京都品川区)、セコマ(札幌市中央区)、豊田通商(名古屋市中村区)、千歳空港モーターサービス(CAMS、千歳市)は8月22日、CO2排出量削減への取り組みの一環として、新千歳空港に配備されている空港内作業車両であるトーイングトラクター(空港制限区域内にて航空貨物や手荷物運送用コンテナを牽引する車両)およびフォークリフトに通年でバイオディーゼル燃料(BDF)を使用する運用を7月15日より開始したと発表。

この取り組みは、セイコーマートの店内調理「HOT CHEF」で発生する廃食油を、セコマグループの白老油脂でBDFに精製、精製されたBDFを豊田通商が配送・供給し、CAMSがJALの作業車両に給油を行うもの。2023年8月から11月までの実証実験では、CO2排出量を約6t削減した。 

厳寒期にBDFが燃料タンクの中で凍結し、品質に影響するおそれがあるため、BDFと軽油の混合燃料の使用や燃料タンクに温風装置を設置することで、凍結を未然に防ぎ、通年での運用を可能とした。また、今回新たにBDF専用タンクを空港内に設置したことで、BDF使用対象車両を昨年の3台から11台に拡大することが可能となった。対象車両は、トーイングトラクター9台(うち1台が4社のロゴが入った特別ラッピング車両)、フォークリフト1台、航空機牽引車1台。

これにより、年間約54tのCO2排出量を削減できる見込み。実証試験では2275ℓのBDFを使用したが、通年運用では夏期に月間2300ℓ、冬期に月間1150ℓのBDFの使用を想定している。

4社では、持続可能なエネルギー利用によるCO2排出量削減と地産地消による循環型エネルギーの取り組みを推進し、今後も地域や社会と連携して、地域の課題の解決に取り組んでいくとしている。

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