帝国データバンク札幌支店は2月27日、「価格転嫁に関する道内企業の見解」の調査結果を発表した。2022年12月16日~2023年1月5日にかけて、道内1189 社に聞き、有効回答企業数は561社(回答率47.2%)。
自社の主な商品・サービスにおいて、「コストの上昇分を販売価格やサービス料金にどの程度転嫁できているか」と尋ねたところ、コストの上昇分に対して「多少なりとも価格転嫁できている」企業は67.2%となった。内訳をみると「すべて転嫁できている」企業は4.8%にとどまり、「8割以上」は13.5%、「5割以上 8 割未満」は14.8%、「2割以上5割未満」は15.9%、 「2割未満」は18.2%となった。
一方で「全く価格転嫁できていない」企業は14.6%だった。
価格転嫁をしたいと考えている企業の販売価格への転嫁割合を示す「価格転嫁率」は41.5%となった。これはコストが 100 円上昇した場合に41.5円しか販売価格に反映できていないことを示している。
価格転嫁率を業界別にみると、価格転嫁率が比較的高い業界は「卸売」で62.5%だった。
「運輸・倉庫」の価格転嫁率は14.0%で、全業種で最も低かった。運輸・倉庫では、100円コストが上昇した場合、販売価格には14円しか反映できていないことになる。
企業の声として、運輸業からは「みんなが一斉に価格転嫁をすれば良いが、競争社会の中では難しい」(一般貨物自動車運送)、「適正な原価管理により、適正な販売価格を設定し、交渉時に適正な価格であることの説明ができれば、ある程度は交渉に応じてはくれる」(一般貨物自動車運送)などを紹介している。