北洋銀行は6月24日、2019年の「第77回道内企業の経営動向調査」の結果を発表した。
5月下旬〜6月中旬にかけて全道685社に聞き、374社(回答率54.6%)から回答を得たもの。運輸業からは25社が回答した。
2020年4~6月期の実績は、全業種で前期に比べ、売上DIが 36 ポイント低下しマイナス59、利益DIが33 ポイント低下しマイナス57となり、業況は3期連続の低下。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、売上DI・利益DIとも前期に続き全業種でマイナスかつ前回調査の見通し以下に下振れし、全業種が前期から大幅に低下した。
2001年の調査開始以来、業況の水準は過去最低となり、低下幅も最大となった。
4~6月期の運輸業は、売上DIが前期より39ポイント低下しマイナス56、利益DIが30ポイント低下しマイナス52となった。
2020年7~9月期 見通しは、全業種で前期に比べ、売上DIは3ポイント低下しマイナス62、利益DIは3ポイント低下のマイナス60となり、業況の低下が続く見通しとなった。
コロナ禍の影響により依然として厳しい状況が続くものとみられている。
7~9月期の運輸業は、売上DIが4ポイント回復しマイナス52、利益DIが8ポイント回復しマイナス44となり、若干の改善の見通し。
企業の声として、運輸業からは「当社は食品類を主に運搬しており、新型コロナウイルスによる影響は現在のところほとんどない。従って、基本的なことではあるが、社員の健康管理・衛生管理を徹底し状態を維持できるよう万全を期することが 肝要である」とのコメントが紹介されている。
また、「新型コロナウイルスの道内企業の経営への影響」についての調査結果も発表した。
新型コロナウイルスの影響として全体では、「売上の減少」が72%、「従業員の出勤停止・時差出勤等による人繰り」が30%、「資金繰りが悪化」が25%と上位を占めた。「影響なし」は15%だった。
運輸業では「売上の減少」が68%、「資金繰りが悪化」が32%となり、「影響なし」が24%だった。「影響なし」は建設業(31%)に次いで2番目に割合が多い業種だった。
企業の声として、運輸業からは「新しい生活様式への移行は必然と思う。例えば、事務の簡素化・IT化の促進は相当進むと思う。札幌一極集中の流れから、地方に今ある資源(人的・物的)の有効活用、U ターン現象が起きるかもしれない」、「大型の店舗・旅館等が減少すると予想。ネット環境の整備が進み、個人消費はインターネット経由へと徐々にシフトする。政府の政策により、一時的に旅行や宿泊施設も活況を取り戻すが、公共交通機関(航空業界も含む)はまだまだ回復には程遠いと思われる」などが紹介されている。