運輸労連(難波淳介中央執行委員長)は7月5・6の両日、ロイトン札幌で「第56回定期大会」を開催した。役員改選では、灘波中央執行委員長が退任し、成田幸隆氏(全日通労組出身・愛知県連)が後任に選出された。このほか、2023~2024年度の運動方針や2023年度予算が原案通り承認された。
灘波中央執行委員長は大会初日の挨拶で、「春闘では加盟組織が結果を出した。6月までで加盟417組合中375組合で春闘に取り組み、355組合が解決、単純平均で対前年78.4ポイント増の4008円、加重平均で同13.1ポイント増の7403円、全ての規模別で前年を大きく上回る解決となった。定年延長に向けた協議の開始、労働時間管理の見直しなど、最大限の回答引き出しによる解決が続いている」と報告。
一方、荷主企業の労組では、要求に対して満額・要求以上の回答が続き、収入の産業間格差拡大するとの見通しを示し、「運輸人材の確保対策を急ぐ必要があり、2024年以降の賃金労働条件引上げの重要度は増している。荷主企業に向けて、物流部門への転嫁を求め、運賃料金改定交渉を行うべきと、会社の背中を強く押して欲しい」と述べ、「組織の壁を越え、魅力ある運輸産業を目指し行動を起こす起点の年としよう。すべての仲間が生き活きと活躍できる社会の構築に向け、歩みを進めていこう」と訴えた。
新たに選出された成田中央執行委員長は、「今大会で2024年問題、ドライバーの働き方改革について多くの意見をいただいた。社会全体で『このままでは運べない』と認識され始め、労組でもあらゆる機会を通じて理解を求め、人に伝わる活動をしっかりやっていきたい。人を大切にし、若い人に選ばれる運輸産業にしたい。不易流行の精神で、汗をかき、知恵を出し、熱い労働運動に取り組んでいこう」と呼びかけた。
閉会に際して、「団結ガンバロー」を三唱した。また、来賓として、立憲民主党の泉健太代表、運輸労連政策推進議員懇談会長の海江田万里衆議院副議長、連合の芳野友子会長、札幌市の秋元克広市長らが出席、し祝辞を述べた。