京セラコミュニケーションシステム(KCCS、黒瀬善仁社長、京都市伏見区)は6月23日、NEDOが公募する「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」に採択されたと発表。
2022年度から2024年度にかけて、石狩市や札幌市において、複数台の自動配送ロボットによる地域内サービスの実証および、雪上走行に向けた研究開発を行う予定。
テーマは、「中型中速配送ロボットを複数台利用する、多様な地域内サービス提供の実証および、雪上走行技術の研究開発」。ミニカー(長さ2.5m以下×幅1.3m以下×高さ2.0m以下)に準じたサイズで、最高速度時速15㎞のロボットを用いる。
KCCSは、実証に関する企画・管理・調整、無人自動配送ロボットの開発・運用、雪上走行技術のための車体開発などを行う。
このほか、北海道大学が雪上走行技術の研究開発を行い、日本総合研究所が配送サービス実現に向けた社会受容性向上の取り組みや、在り方等の分析・検討を担う。
また、自動配送ロボットによる配送サービス実証および、事前調査・設計、事後評価の支援として、早稲田大学の小野田弘士教授、石狩市、セコマ、ヤマト運輸が協力する。
KCCSでは「本実証を通して、ICT技術と情報通信基盤整備などのノウハウを活かし、地域における物流課題の解決に向けたモビリティサービスの開発を行い、SDGsを見据えた地域社会への貢献を目指す」としている。
NEDOは2020年から「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」に取り組み、併せて、サプライチェーンの強じん化を図るために、自動配送ロボットを集合住宅や市街地、商業施設、工業地帯などで走行させる実証実験を行ってきた。また、新たな配送サービス実現の観点から、社会受容性を向上させるための取り組みなどの分析・検討を実施してきた。
今年に入り、関連した動きも活発化し、2月には民間主体によるロボットデリバリー協会が発足、4月には低速・小型の自動配送ロボットに関する制度化を含む「道路交通法の一部を改正する法律」が成立し、2023年までに施行される見通し。
NEDOは今般、ラストワンマイル物流における「遠隔・非対面・非接触」での自動配送サービスの実現をより加速させるため、「革新的ロボット研究開発基盤構築事業」として、物流拠点や小売店舗などから住宅などへの配送サービス(ラストワンマイル物流)を「遠隔・非対面・非接触」で実現することを目的に自動配送ロボットの技術開発にかかる取り組みを採択した。
4月に「道路交通法の一部を改正する法律」が成立したことを踏まえ、新たに「事業化・サービス化」を特に重視した開発目標を設定したほか、自動配送ロボットを用いて、市街地など屋外で実証実験を順次行っていく。