プロテック(小松麻衣社長、札幌市中央区)は8月27日、精神疾患や知的・身体に障がいのある人たちが働く札幌市内9つの就労継続支援事業所が生産した商品を取り扱うオンラインストア(ECサイト)「Omusubi(おむすび)」を9月2日より開設すると発表。各事業所で丁寧に手づくりされている質の良い商品を全国に向けて紹介する。
障がいがあり一般企業での就労が難しい人が利用する「就労継続支援事業所」において、北海道の令和4年度の工賃(賃金)実績のうち「B型事業所」の平均時給は275円。B型事業所は障がい者とのあいだで雇用契約を結ばないため、障がいの程度や心身の状態に合わせた柔軟な就労が可能となる一方、最低賃金の保証がなく、同社ではこうした福祉事業所の給与システムを取り扱う中で、運営母体より「この平均時給をどうすれば上げていけるか」と悩む姿を見てきた。このような現状を変えるべく、事業所が生産した商品をインターネット上で紹介し購入できるオンラインストアを開設することとした。
札幌市内にあるB型を中心とした9つの就労継続支援事業所が生産した革・布製品をはじめ、コーヒーや焼き菓子など約30種類を取り扱う。商品は順次増やしていく予定。
事業所では障がい者の機能訓練として手先の細かな作業も行っており、丁寧に作られた良品にも関わらず販売手段が少なく売れ残ることが大きな課題だった。今回のECサイト開設により販路を広げ、商品の良さや作り手の思いも紹介し消費者へ届けていきたい考え。
さらに、消費者が求めている「売れる」モノづくりにも今後は取り組み、福祉の現場で生産された商品への「何となく古めかしい」や「おしゃれ感が少ない」といったイメージを変え、工賃の向上につなげたいとしている。