北海道交通・物流連携会議・物流WG 2020年度内に「将来の北海道物流の方向性」取りまとめ目指す トラック輸送のデータ捕捉がネックに

北海道交通・物流連携会議の物流対策ワーキンググループ(座長・岸邦宏北海道大学大学院工学研究院准教授)の今年度2回目の会合が2月17日、京王プラザホテル札幌で開催され、「北海道の輸送能力・貨物量等の調査」に関する報告が行われた。
客観的な分析の基盤となるデータの更なる精査を行っていくことを確認、岸座長は「2020年度内には、北海道の物流の将来の方向性を打ち出したい」と述べた。

同WGは、岸座長のほか、北ト協、北海道通運業連盟、北海道通運業連合会、北海道港運協会、北海道船主協会連合会、北海道旅客船協会、JR貨物、札幌国際エアカーゴターミナル、ホクレン農業協組連合会、北海道漁協連合会で構成、「北海道における安定的かつ効率的な物流体制の確保」に向けた検討を進めている。

今後、会合を重ねて「各モードが連携した輸送方法」や「ドライバーが不足した際の影響」、「地方港湾の活用」などについて検討し、「北海道全体の物流の効率化・最適化の観点からの総合的な対応策」や「北海道の物流の将来の方向性」を取りまとめる。

会議では、道内のトラック・鉄道輸送、海上輸送、航空輸送の各輸送モードに関し、様々な資料やヒアリングを通じて捕捉した輸送能力や輸送量などのデータが報告され、議論が行われた。
データの精度に課題があるとして、これら輸送能力や実績などの数値は非公開の扱いとし、データの精度向上に向けて引き続き検討を行っていくことを確認した。

岸座長は「ドライバー不足、輸送モード間の連携のあり方、鉄道輸送のあり方など、北海道における物流についての様々な問題はすでに顕在化しており、これは一時的ではなく、何もしなければずっと継続していくもの。北海道全体としての物流の方向性を出さなければいけない時期にきている」とし、「今回発表した様々なデータは、輸送モード間の連携の際の数値や、輸送ピーク時の輸送量など、精度に疑問符がつき、数字が一人歩きしてしまう可能性もあるので、外部への公開は控える。とりわけ、トラック輸送のデータ不足が問題といえる。引き続きデータの精度を高めるべく取り組み、2020年度には北海道の物流の一定の方向性を打ち出したい」と述べた。

このほか、苫小牧埠頭の橋本哲実社長が「苫小牧大型冷凍・冷蔵倉庫について」、JR貨物経営統括本部の花岡俊樹副本部長が「物流結節点強化による物流ネットワーク強靭化と生産性向上」と題して情報提供を行い、橋本社長は今春稼働予定の道内最大級の冷凍冷蔵倉庫「北海道クールロジスティクスプレイス」、花岡副本部長は「札幌貨物ターミナル東端に建設予定の大規模物流施設「レールゲート」の概要や設置目的などを説明した。

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