道内運送事業者らによる勉強会の運送事業経営塾(工藤英人社長、工藤商事)は2月16・17の両日、富良野市で一泊例会を開催、12人が参加した。
16日は、富良野商工会議所で各社が今期取り組んでいる採用・定着・教育・待遇改善などに関する具体的な事例についてそれぞれが報告し、ディスカッションを行った。
採用面では、「会社説明会を兼ねた合同面接の形式で採用面接を行っている。面接にかかる時間が削減でき、ここでやる気があるのか、ないのか確認ができ、効率的に採用活動を進められている」、「ダブルワークが可能ということを打ち出して募集を行い、アルバイトドライバーを活用している」、「手数料は高いが、ヘッドハンティング会社を活用し、管理者の採用を行っている」といった事例が報告された。
定着については「福利厚生の一環としてスポーツジムと契約した」、「荷主からの値上げ分を原資とし、手積み手当を新設した」、「禁煙治療や配偶者の健康診断に補助を行った」、「これまでルームシェアで運用していたドライバーの寮を1ルームに切り替えた」、「ドライバーへの扱いが悪い大口の荷主がおり、長年改善を要求してきたが、状況が変わらないと判断して取引をやめた」などの事例が報告された。
このほか、「荷役作業の軽減のため、パワードスーツを試験的に導入しているが、使用感の評判があまり良くない」、「管理者がドライバーを厳しく指導できず、緩い空気が蔓延し、事故が増加している」といった課題も報告された。
17日は、富良野通運を訪問し、永吉大介社長と寺脇司物流部次長による「わかりやすい鉄道輸送の仕組み」と題した講演を聴講した。永吉社長はコンテナ輸送のメリットやデメリットなどを説明し、「ロットが合う貨物であれば、運賃・料金面でのメリットが大きい」とし、本州便のみならず、道内便での活用を促した。
このほか、荷主と協働して進めている農産物輸送のパレット化や、QRコードを貼付した特製コンテナの導入など、独自の取り組みを紹介。また、同社のコンテナ輸送の営業拠点(2種利用免許有)は現在、富良野、札幌、北旭川、苫小牧だが、東京エリア、名古屋エリア、大阪エリアで2種利用免許を出願中であり、「今後、富良野にいながら全国的なコンテナ輸送のアレンジが可能となるよう体制整備を進めている」と案内した。