「第34回海事立国フォーラムin北海道2024」 ラピダスなど物流課題を講演

日本海事センターは10月10日、グランドホテルニュー王子(苫小牧市)で「第34回海事立国フォーラムin北海道2024」を開催し、約200人が参加した。国交省が後援し、北海道運輸局、商船三井、苫小牧市、苫小牧商工会議所が協力した。

Rapidusの上田保夫生産管理部ディレクターが「次世代半導体の国産化と脱炭素型輸送システムへの取組」と題して講演し、千歳市で建設が進む次世代半導体新工場のコンセプトや、物流の課題と展望などを説明した。

半導体の材料供給拠点の多くが太平洋・瀬戸内・九州エリアに集積していることから、「サプライヤに1000㌖以上も離れた北海道の工場まで材料を輸送してもらうことは、大きな負担を強いるほか、CO2排出量も膨大になる。また、ウェハの上に大規模集積回路を作る工程では、薬液が約100種類、ガスが約50種類必要とされるが、このうちの約6割が青函トンネル危険品貨物運送約款により、鉄道を使って北海道まで輸送することができない」といった課題を指摘。限られた輸送手段でサプライヤから効率的に材料を運ぶため、道外に「ターミナル」を設置し、ここに集積した後、同社の手配により集中して北海道まで材料を運ぶ輸送スキームを構築していると解説した。

「物流のグリーン化を図り、脱炭素型輸送システムを運用する挑戦を北海道から進める。この物流網を活用し、将来的には他社の産業用材料も巻き込み、集中輸送による北海道の産業活性化につなげたい。北海道であまり使われなかった材料などをまとめて運ぶことが出来るようになるので、これが今後の北海道にとって重要な路線になると考えている」と述べた。

このほか、「ゼロカーボンに向けた取組と今後の展望~北海道における海事・物流・港湾の取組を中心に」と題したパネルディスカッションが行われたほか、商船三井の橋本剛社長、日本海事センターの森本清二郎主任研究員らが講演した。

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