北海道運輸局は9月24日、ホテルポールスター札幌で「船舶燃料規制に関する説明会」を開催、海運事業者ら約40人が参加した。
船舶の燃料油に含まれる硫黄分濃度の上限を現状の3.5%から0.5%とする国際的な環境規制(SOx規制)の強化が2020年1月から開始されることから、燃料油の性状変化に関する留意点や適切な対処方法といった最新情報を提供。
今年2月に1回目の説明会が開かれ、その後、現在までに明らかとなった事項を中心として、規制に関連する最新情報を国交省海事局海洋・環境政策課環境渉外室の担当官が説明した。
新基準適合油使用への対応策や、新基準適合油を用いた実船トライアルの結果などの説明が行われ、「海運会社、造船所、船用機器メーカー、業界団体、研究機関、検査機関からなる『船舶燃料油の性状変化への対応に関する検討会』で、規制適合油(LSC重油)の性状が内航船に与える影響や対応策を検討。船舶の安全や、運航への影響を最小化しつつ、国内石油元売各社が安定的に供給できる燃料油について、石油業界と意見交換を重ね、実船トライアルを実施。これらにより、LSC重油の性状や実船での使用に問題ないことを確認した」と述べた。
また、LSC重油使用におけるポイントを説明。「硫黄分低下の影響を抑えるためにエンジンの潤滑油の切り替え」「清浄機では、LSC重油の密度や加熱温度に応じ調節版を交換」「LSC重油がエンジンやボイラーメーカーの許容動粘度となるよう温度調整」「燃料油圧力の低下が著しい場合、ポンプ入口の動粘度を上げるため燃料油の温度を上げる」「貯蔵タンクは従来のHSC重油のように加熱」「LSC重油への切替えの際、フィルター、ストレーナや清浄機などの状態をこまめに確認」などの必要性を呼びかけた。