出光興産(木藤俊一社長、東京都千代田区)は3月23日、国内におけるバイオ混合燃料の普及と低炭素エネルギーの地産地消の促進に向けた取り組みとして、道内で回収された廃食油由来の脂肪酸メチルエステル(FAME)とA重油を混合した「バイオ混合燃料」を使用した船舶の試験運航を厳冬期である2023年2月中旬から3月初旬にかけて実施したと発表。
試験運航にあたり、同社はセコマのグループ会社である白老油脂より、道内のコンビニエンスストアなどから回収した使用済み食用油を用いて製造されたFAMEを調達。調達したFAMEはナラサキ石油が苫小牧港内で運航する配給船へ供給し、バイオ混合燃料による試験運航を実施した。この試験運航は配給船のエンジンメーカーであるIHI原動機の立会いのもと行われた。
今回使用したバイオ混合燃料は、FAMEを20%以上の割合で混合したもので、既存の船舶用内燃機関で使用可能であるとともに、従来の船舶用燃料と比較して15~18%程度のCO2排出削減効果を期待することができる。
同社では今後、分析評価を実施し、今回の試験運航で得たバイオ混合燃料に関する知見をもとに、より大型の船舶での利用や寒冷地における常時利用を含めた実用化検討を進め、バイオ混合燃料の普及を図るとともに、「エネルギーの地産地消」の実現に貢献するとしている。