新千歳空港国際化推進協議会(会長・鈴木直道北海道知事)は3月23日、国際航空貨物の輸出拡大を図ることを目的として、新千歳空港国際線ターミナルビルで「国際航空貨物セミナー」を開催した。同協議会の会員が対象、16人が参加した。
滝川地方卸売市場の(滝川市)開発特販室の林嘉信主幹室長が「貿易の流れと輸出のノウハウ」と題して基調講演を行い、輸出する際の具体的な手続きや事前に確認すべきポイントなどを「香港への間接輸出」の実例を交えて解説。「貿易代行の専門商社や地域貢献を目的とする地域商社には、『安い運賃の枠』を持っていることがあるので、輸出をする地域に対して枠を持っている所とパートナーシップを組むとお得になる」と述べた。
また、北海道エアポート(千歳市)貨物営業部の齊藤健介貨物営業課長が「新千歳空港における国際航空貨物の概要」について講演、「令和2年3月以降、新型コロナウイルス感染症拡大により、新千歳空港発着の国際定期旅客便が全面運休し、国際航空貨物の取扱が急減した。同年6月から令和3年4月まで、農水省の『食品等輸出物流ルート確保緊急対策事業』を活用し、貨物臨時便による直行便輸送が実現した」と説明した。
「国際貨物ターミナルSIACT」についても説明し、「SIACTは新千歳空港における国際航空貨物を専門に取り扱う施設であり、全国的にも珍しい共同上屋形式で運営されている。フォワーダーが行う手倉業務とエアラインが行う上屋業務が同じ施設で行われている。フォワーダーが業務に必要とする事務室や設備(上屋、計量器、冷蔵・冷凍設備、爆発物検査装置、フォークリフトなど)、荷役業務などは有償で提供
しており、入居しているフォワーダーは大掛かりな設備投資を行わなくても、一通りの輸出入貨物業務が完結できる」と特徴を伝えた。
参加者はその後、国際貨物ターミナルSIACTの視察を行い、輸出上屋と輸入上屋の設備や機能について学んだ。