三菱ふそうトラック・バスは11月24日、電気小型トラック「eCanter」を用いた配送業務での初の実証を北海道内で生活協同組合コープさっぽろ(大見英明理事長、札幌市西区)が2022年1月に実施すると発表した。
北海道内で初となるユーザーによる「eCanter」の実証は、コープさっぽろの宅配システム「トドック」での使用において実施される。今回の実証では、コープさっぽろが寒冷地である札幌市内において、特に市街地や傾斜地での実走行距離や充電・配送時間やバッテリーの消費電力などのデータ測定を行い、同社の配送実務における「eCanter」の性能を実証する。
コープさっぽろは物流におけるCO2排出量削減を推進し、北海道内での宅配業務のカーボンニュートラル化におけるさらなる取り組みとして、今回の実証を行う。
カーボンニュートラル輸送の実現に向けた動きが世界的に拡大する中で、電気で駆動することで排出ガスが一切出ない「eCanter」は、配送における排出ガス削減に貢献するトラックであり、従来のディーゼル車と比較して騒音や振動が少ないため、特に都市内輸送における配送ニーズに対応している。
既にノルウェーやフィンランドといった寒さが厳しい地域から、スペインなどの温暖な地域まで、多様な環境下にある国々で稼働しており、同社では「今回の配送業務での実証実験は日本の寒冷地で問題なく使用できることをお客様に体感頂く良い機会ととらえ、カーボンニュートラルな輸送の実現を目指すお客様のビジネスに貢献してまいります」としている。
「eCanter」は、騒音や排出ガス、CO2低減の課題を解決する答えとして開発した量産型電気小型トラック。2017年に日本市場で初めて販売を開始し、これまでに米国、欧州、日本を中心にグローバルで300台以上が稼働している。2021年には、オーストラリアとニュージーランドでも新たに販売を開始し、これまでの「eCanter」の累計走行距離は、世界中で合計400万㎞以上に到達。
車両総重量7.5トンクラス、急速充電では最大約1.5時間、普通充電では最大約11時間の充電で、航続距離は約100kmを確保。電気駆動システムには、モーター(最大出力135kW、最大トルク390Nm)と、370V・13.5kWhの高電圧リチウムイオンバッテリーパックを6個搭載している。