名寄「道の駅」を拠点とした中継輸送実証実験 拘束時間40%・輸送コスト45%削減

旭川開発建設部とヤマト運輸は4月13日、令和3年11月9日〜12日に実かけて実施した「道の駅」を拠点とした中継輸送実証実験の結果を発表した。
ドライバーの拘束時間削減、輸送費の削減、輸送費の低減などの効果が確認でき、「生産空間における物流サービス維持への貢献を確認した」としている。
 
名寄市にある道の駅「もち米の里☆なよろ」を中継拠点とし、片道約300㎞ある「枝幸〜札幌」間の輸送において、トラック2台によるトレーラヘッド交換の中継輸送を行った。取扱貨物は、冷凍イクラ、冷凍ホタテ、宅配用品など。

実験の結果、中継輸送及び荷物集荷のタイミングを合わせることにより、ドライバー1人あたりの運転時間や拘束時間が削減されたことを確認。
これまでの単独輸送では、1人のドライバーが「枝幸〜札幌〜枝幸」「札幌〜枝幸〜札幌」間をそれぞれ往復13・5時間かけて運行していたが、中継輸送により、1人のドライバーが片道200㎞の「札幌〜名寄」間を8・5時間、もう1人のドライバーが片道100㎞の「名寄〜枝幸」間を7・5時間でそれぞれ往復した。
ドライバー2人の拘束時間は27時間から16時間へと減り、40%あまりの削減となった。

コスト面では、人件費・トラックの燃料費・高速道路の料金等の輸送費用が14万円から7・8万円へと抑えられ、約45%低減。併せて、トラックからのCO2排出量が約50%軽減した。

実験参加者へのヒアリングでは、運送事業者からは、「ドライバーの労働条件を改善し、新たな労働者を呼び込む対策として、中継輸送は必要不可欠。安定的な輸送サービスを今後も提供していくために各地域にある道の駅を活用した輸送方法は今後極めて重要になる」、「道の駅は幹線道路沿いに立地し、数も多く中継場所に適切。実験期間中は集荷のタイミングが合わず、片荷輸送のケースもあったので、輸送効率を更に高める工夫が必要。トレーラーを保有していない事業者も利用できるような仕組みもあるとよい」とのコメントを得た。

参加したドライバーからは、「一般車両と分離した動線や専用の駐車スペース、トレーラーやヘッドの一時保管スペース」「車両の一方通行化、夜間照明の設置、トラック同士が同時に到着できるための仕組み、駐車スペースの事前予約システム」などを求める声があった。

荷主からは「中継輸送により品物を出したいときに出せるよう輸送機会が増えるようになればありがたい。また、輸送コストが抑えられればさらによい」との評価を得た。

北海道開発局では、「道の駅を活用した中継輸送による労働環境の改善効果やそのニーズを確認した。実験を通じて明らかになった効果やニーズを踏まえ、中継輸送の実用化に向けた検討を継続していく」としている。

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