苫小牧港東港区浜厚真地区に新ターミナル整備

北海道開発局は4月13日、苫小牧港東港区浜厚真地区(周文ふ頭)に新たな耐震強化岸壁の整備を着手すると発表した。事業期間は令和4年度から9年度、全体の事業費は145億円をそれぞれ予定。
 
トラックドライバーの負担軽減や大規模地震における海上からの緊急物資輸送を確保することが目的。新たな岸壁の整備により、柔軟なフェリーダイヤの設定が可能となり、トラック輸送距離の削減が可能となる。

同地区では現在、「秋田・新潟」「敦賀」の2つのフェリー航路が就航し、砂・砂利等のバルク貨物と1つのバースを共用している。
特に関東向けの農水産品は19時30分発の「秋田・新潟」航路を利用して移出されているが、集荷時間が遅れた場合、函館港からの「青森」行きフェリーを利用するケースが多かった。今後、ドライバーの労働時間の規制が厳しくなり、函館港のフェリー航路を利用した長距離陸上輸送が困難になることが見込まれるが、現状では柔軟なダイヤ設定が困難な状況だった。

また、現在は2つのフェリーが共用しており、先発便の「秋田・新潟」航路の入港が荒天や前港での荷役作業の遅れ等で遅延した場合、後発便の「敦賀」航路でも遅延が発生するほか、バルク貨物とフェリーが共用し、十分な空きがないため、一部のバルク貨物が遠方の西港区を利用せざるを得ない状況となっていた。さらに、背後圏(安平町、厚真町、むかわ町)の緊急物資輸送を確保するためにも港湾施設の整備が求められていた。

同事業の実施により、トラックドライバーの労働規制に応じたフェリーのダイヤ設定が可能となり、農水産品やバルク品、生活物資等の安定した取扱いの実現が期待されている。

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