北海道経済産業局と札幌商工会議所は3月17日、「ドローン物流最前線セミナー」をオンラインで開催した。
セイノーホールディングス執行役員ラストワンマイル推進チーム担当の河合秀治氏と、ドローン開発・サービス展開を図るベンチャー企業のエアロネクストの田路圭輔社長が講師となり、両社が共同で行なっている山梨県小菅村や北海道上士幌町など過疎地域でのドローンの実証実験の概要のほか、ドローンを活用し陸上配送とつなぐ新スマート物流「SkyHub」について説明した。
2020年度中に都市を含む有人地帯での自動・自律・補助者なしの目視外飛行が解禁される予定であり、物流分野では、労働力不足、輸送の多頻度小ロット化などの課題を解決する切り札としてドローンへの注目が高まっていることを説明。「ドローンを活用した無人配送は実現しなければならない段階に来ている」と強調した。
また、過疎地域では、買い物難民・医療難民・物流難民といった課題を解決しなければ、地域コミュティの存続自体が危うい状況にあり、地方消滅の懸念があるとし、「物流ノウハウとドローン」を組み合わせた「SkyHub」が次世代の地域社会のインフラになり得ると紹介。
人口700人の小菅村で「SkyHub」の実証を開始し、このパッケージを全国の自治体に展開、2021年度は466回の飛行回数、飛行距離1730㎞を達成したとし、昨年行なった上士幌町での物流専用ドローンによる日本初のドローン宅配の実験について説明した。
河合氏は「物流ドローンの活用は、地域の企業・団体がそれぞれの自身の地域で取り組んでいくことが最も良いモデルとなる。我々はオープンに組ませていただくのが理想。今後、北海道でも様々な地域の人とコミュニケーションを図り、一緒に取り組んでいきたい」と呼びかけた。