ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA、池田隆之会長、東京都港区)は3月16日、北海道の道北地区でスタートした複合機などの動脈物流共同化配送を全国展開に向けて活動を継続させていくと発表した。
これにより、北海道ではトラック台数を半分に削減できると見込んでいる。
JBMIAでは、複合企業会の活性化のため、2021年4月から動脈物流委員会を発足。15社(9メーカー)が参加し、共同配送に関して検討を進めてきた。
複合機業界では、複合機やプリンタの配送に際し、①月末・期末集中や時間指定配送による物流波動、②短リードタイムや受注当日出荷による高レベルの配送サービス、③地方配送における低積載配送―といった課題があった。
さらに、トラック業界の人手不足や働き方改革が相まって、「運べないリスク」を実感していた。
これらの課題を解消するため、物流共同化の目的、狙いを設定。物流を競争から「共創」領域と捉え、社会課題を共同配送で解消することにした。
共同化に向けたコンセプトとして、①「競争」から「共創」の精神の下、持続可能な社会の実現に貢献し「運べないリスク」を解決する、②物流品質・コンプライアンスに留意し、共同物流により効率化を図かりコストの上昇を抑制する、③納品基準の標準化・納品波動の平準化を推進し、お客様への適切なサービスと安定した配送サービスを実現する、④行政の政策と連動し、トラックドライバー不足、カーボンニュートラル等の社会的課題を解決しSDGsに貢献する、⑤賛同できる企業からスタートし、いつでも参加を可能とするーと定めた。
最初の共同配送の検討範囲をラストワンマイルと決め、都道府県別に配送密度を比較、共同配送の優先度を「低密度→中密度→高密度」とした。共同配送実証シミュレーションを山形県南部地区で2020年10月に1カ月行い、作業標準、リードタイム等サービスレベル、データの流し方を確認した。
配送密度が最も低い北海道をラストワンマイルの共同配送の最初のターゲットとし、道北地区で2021年11月から共同配送を先行開始した。
今後、北海道全域への展開を予定しており、ラストワンマイル共同化とサービスレベルの見直しを行うことで、トラック台数とCO2排出量を共に50%削減することが可能との見通しを示した。また、今後、共同配送の優先度に従い、順次全国展開を進めていくとしている。
動脈物流委員会の参加企業は、キヤノン、キヤノンマーケティングジャパン、京セラドキュメントソリューションズ、京セラドキュメントソリューションズジャパン、コニカミノルタ、コニカミノルタジャパン、シャープ、シャープマーケティングジャパン、セイコーエプソン、エプソン販売、東芝テック、富士フィルムビジネスイノベーション、理想科学工業、リコー、リコージャパンの各社。実際の共同配送活動は、準備ができた企業から参加、途中からでも参加可能としている。