「北海道版やさいバス」5月始動へ 北海道コカ・コーラが運営

北海道コカ・コーラボトリング(佐々木康行社長、札幌市清田区)は3月17日、地域物流のスタートアップ企業のやさいバス(加藤百合子社長、牧之原市)と連携し、「北海道版やさいバス」の運営を担うと発表した。
グループ会社の幸楽輸送(不動直樹社長、札幌市清田区)が地域物流を担当する
。同日、地域事業インキュベーション施設「HOKKAIDO×Station01-Social Good Birth Hub-」で「やさいバス北海道説明会」をオンライン併用で開催し、同事業の概要や北海道での展開について説明を行った。
 
「やさいバス」は、地域を巡回する専用車両で生産者が出荷した農産物を飲食店や小売店などの販売店に届ける「ECと共同配送の一体型青果流通プラットフォーム」。現在10府県で展開しており、鮮度を保って届けるため、地域の共同配送システムの構築を進めている。

直売所や道の駅、青果店、卸売業者の倉庫などを集出荷場である「バス停」に設定し、「やさいバス」と名付けた車両が巡回。農家が出荷した品物を、実需者はその日のうちに受け取れる仕組みを構築している。

北海道コカ・コーラボトリングは「北海道版やさいバス」事業において、地産地消の推進や地域コミュニティの創生、共同配送による環境負荷の軽減に寄与することを目的として、グループの経営資源を活用し、北海道内の物流を担うほか、生産者や販売店の新規開拓や商品調整などのオペレーションサポートを行っていく。

4月中に「ルート」と「バス停」を設定し、活用する生産者や購買者の登録を進め、5月半ばをメドに事業をスタートさせる計画。現在、主に郵便局をベースにバス停の設定を進めており、「札幌近郊の石狩管内」と「富良野近郊の上川管内」の2つのルート構築を図っている。ルートやバス停は、出荷する生産者や購買者のニーズに合わせて柔軟に変更させて行く計画だ。

やさいバスの加藤社長は「生鮮野菜は輸送する際の温度帯が異なる商品があり、かつ、収穫後は劣化していくので、いかに早く需給をマッチングさせ、物流を行うかが重要。ドアtoドアの宅配を活用すると物流コストが高くなるため、自動車部品のミルクラン方式の巡回集出荷を参考として、バス停を設定したやさいバスの仕組みをつくった。ITによる間接業務のコスト圧縮をし、生産者の価値配分を最大限に引き上げている。ラスト1マイルを諦め、バス停まで『持って行く』『取りに行く』ことをしてもらい、物流コストを低減させている。バス停を活用するのは、コミュニティの顔見知りが多く、盗難などの大きなトラブルはこれまで発生していない」と説明。

幸楽輸送の不動社長は「既存のコカ・コーラの物流ルートを上手く活用して北海道でやさいバスをスタートさせる。当初は常温の車両で始めるが、冷蔵品の扱いもやっていきたい。柔軟性が強みなので、ニーズ次第でルートが設定できる。1日で回れるルートを想定しているが、離れた地域間をつなぐ物流などもニーズ次第で検討したい」と話した。

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