丸吉ロジ(上)令和のスタートとともに社名変更 

東日本で鉄の物流を展開する丸吉ロジ(吉谷隆昭社長、北広島市)は、新元号・令和がスタートした5月1日に丸吉運輸機工から社名を変更した。会社として40周年、吉谷氏が社長に就任して10年を迎えているタイミングでの社名変更となった。

吉谷社長が創業者から事業承継した際は、「北海道で重量物・長尺物をトラックで運び、重機で一部工事をしていた会社」だったが、この10年で「東日本(北海道・東北・関東)で顧客にロジスティクスサービスを提供する会社」に大きく変化、エリアと業容が大きく変わるとともに、事業規模も2倍近くに成長し、今後も更に伸びていく予定だ。新社名は今後の有り様を示すものとして、深く考えて決めた。

同社は4月13・14の両日、「初めて全拠点から全従業員を集めて」(吉谷社長)、宮城県で40周年記念式典を開催、新社名はその際に初めて発表した。
「社名変更はシークレットで進め、社内でも知っていたのは創業者と私、役員2人の4人のみ。具体的に1年ほど前から考え、発表の2〜3か月前に1人で決めた。あまりに秘密にし過ぎたため、発表後、総務から『もっと早く教えて欲しい。3日前に旧社名で封筒を大部発注した』と怒られた」という。

「遡れば、社長就任時に、創業者から『全て変えてほしい。社名を含めて判断してほしい』との話があり、社名の変更は10年前から頭にあった。当時は、経営者として何もしていないこともあり、とても着手はできなかった。次は2012年3月に工事部門の機工部を閉鎖した際に現実的に考えた。この時期から、事業内容を説明する際、意識的に『物流』という言葉を使い始め、『運輸』一本の会社ではないと言い続けてきた。自社のことを話す際は、対外的には『丸吉』とだけ言うようにしていた」という。

その後、勉強を進める中で、目指す方向が『ロジスティクス』だと確信するようになった。「将来の姿が明確に見えた中で、今回の社名に決めた。候補はいくつかあったが、『ロジ』の2文字の中に『論理、思考の筋道、分析』といった意味合いを感じ、『一見なんの会社かと言われるくらいでいい』と考えた。あとは、字画や長さ、響きを含め、総合的に考えて、相当考えて決断した」。

吉谷社長は、「新社名として、『物流』の文字を入れる選択肢も考えたが、『物流』と『ロジスティクス』は完全に別物と捉えている。ロジは『物流を単に現代風・英語で表現している』わけではない。『運輸』はモノを運ぶこと。『物流』は運輸を含めて保管や荷役、包装、物流加工、情報などの活動を総合的・一元的に管理すること。そして、『ロジ』は物流の諸機能をさらに高度化し、需要と供給の適正化を図りながら顧客満足度を向上させること。また、環境保全や安全対策など社会的課題への対応にも目を向けた戦略的な経営管理のこと。当社の進む道は、この『ロジ』であると確信している」と強調する。

発表後、社内外から「水くさい」「これまでの方がよかった」「勿体無い」など様々な反応があった。中には「歴史や伝統を捨てるのか」といった声もあった。吉谷社長は「今後、ロジへの思いを語り続け、事業を進めていく。これに全精力を傾ける覚悟」としている。

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