フードロス削減コンソーシアム第3回フォーラム開催 幸楽輸送がプラチナ触媒実証で優秀事例に選出

フードロス削減コンソーシアムは3月22日、第4回フォーラムを北海道大学FMI国際拠点多目的ホールでオンライン併用により開催した。
同コンソーシアムは、北海道大学、北海道科学技術総合振興センター、北海道立総合研究機構、セコマグループにて、2020年9月に設立、北海道大学で開発した鮮度保持技術「プラチナ触媒」を活用し、食品の生産、流通、小売等のサプライチェーンにおけるフードロス問題の解決と歩留まり向上を目指した活動を進めている。会員数は法人会員19、自治体などの賛助会員が2となっている。

北海道大学触媒科学研究所の福岡淳教授が、低温環境下においてもエチレンを完全分解することができるシリカ担持プラチナ触媒を2013年に開発。果物や野菜そのものから発生するエチレンは、熟成や腐敗に影響するが、低温環境下でこれを除去できる触媒は、家庭用冷蔵庫や食品加工前の貯蔵段階での野菜の鮮度保持に活用を広げている。

同フォーラムでは、2023年度プラチナ触媒実証企業7社が紹介され、優秀実証事例として幸楽輸送(不動直樹社長、札幌市清田区)が表彰された。同社ではプラチナ触媒を取引先農園の倉庫や貯蔵庫、同社冷蔵シャーシなどに設置し、玉ねぎ、人参、青果などの品目で鮮度影響の比較を行った。この結果、芽の成長抑制や野菜の外観などに好影響が見られたとし、今後も引き続き実証を続けると説明。影響度合いの数値化にも取り組むとした。

このほか、同コンソーシアム代表の北海道大学の福岡教授が、プラチナ触媒を活用することで、セコマグループでの野菜の歩留まりが向上(キウリの歩留まりが3.1%、キャベツは5.1%、コマツナが10.6%)しており、触媒によりフードロスを削減できていると報告。また、昨年10月に札幌市で開催された全ト協の事業者大会でもこの技術の展示を行ったと紹介した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする