調和技研 良品学習による製品異常検出AIエンジンを開発

調和技研(中村拓哉社長、札幌市北区)は3月23日、トヨタ自動車と共同開発を行い、良品学習による製品異常検出AIエンジンを開発したと発表。
同社の画像系AIエンジン「visee」をベースに開発、トヨタ自動車衣浦工場にて2021年12月から試験的に利用を開始している。
 
センサーやカメラを用いた検査工程の省力化・自動化を実現するAI導入が社会的に普及し始めているが、画像認識による製品の良品判定AIは「学習モデル構築のため多くのデータが必要」「異常品が発生しにくい現場では、異常品画像データを用意するのが困難」「異常品データが少ない場合、異常検出の精度が出にくい」といった制約があった。

共同開発で実現した製造業向け異常検出AIエンジンは、「良品画像のみで学習可能なAIモデルを構築」「独自のアルゴリズム開発により、高い異常検出精度を実現」「学習機能により、継続的な良品画像を増やすことで更なる精度改善も実現可能なモデルとして開発」といった特徴を持つ。

実際の製品において極めて高精度の異常検出精度が得られており、不良が少なく、不良の見逃しが許されないような製品を扱う現場への適用が可能となったとし、トヨタ自動車でも好評だとしている。
また、ケースによっては100%に近い検出精度が得られ、異常品があまり発生しない製品の外観検査において有用性を発揮するとしている。

今後は現場管理システムへのAIエンジンの組み込みの検討を行っていく計画。また、画像による良品判定のみならず、引き続き両社で共同開発を進め、音や波形データ等の様々なデータに対する異常検知機能や、異常予知機能など、現場ニーズに沿った機能の開発を検討していくとしている。

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