新明和工業 フレイン・エナジーと「水素サプライチェーン」製品の実験開始

新明和工業(五十川龍之社長、宝塚市)は5月12日、フレイン・エナジー(小池田章社長、札幌市東区)と2022年8月に「水素サプライチェーンを構成する製品の共同開発」に関する契約を締結し、このたび、フレイン・エナジーが開発した「脱水素装置」の試作機を用いた実験を開始したと発表。今後、両社にて同試作機の完成度を高め、コンパクトなユニットの利点を生かした、新たな水素供給ユニットとしての販売、量産体制の構築を計画している。

フレイン・エナジーは、再生可能エネルギーの普及を促進する「水素エネルギー」に特化し、水素をトルエンと触媒反応させたMCH(メチルシクロヘキサン)の貯蔵や輸送を容易にする有機ハイドライド技術を用いた装置を有している。同社の技術の活用により、再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマスなど)からつくったクリーンな水素を、安定性が高く輸送に適したMCHに一旦変換、貯蔵し、利用地にて今度はMCHから水素を取り出すことで、一連のサプライチェーンの主要部分に対応できるようになる。加えて、水素を用いた「小型の発電ユニット」の製品化にも成功しており、これまで重量や体積がネックとなっていた輸送用機器(産業車両、建設機械、船舶や港湾機械ほか)などへの適用も期待できるとしている。

このたび開始したフレイン・エナジー製「脱水素装置」(試作機)を用いた各種実験は、2024年までを第一次期限とし、「再エネ-水電解-水素添加反応-貯蔵-脱水素-発電」の一連の水素サプライチェーンの実証実験を行うとともに、輸送用機器向け脱水素装置の開発を進める。
これらの実験により安全性、高効率化、生産性などを検証し、並行して量産化に向けた課題や需要先の洗い出しを行い、両社が連携して、2025年に商品化・量産化を目指して取り組んでいく計画。

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