北海道開発局と苫小牧港管理組合は5月20日、ハーバーFビルで「苫小牧港カーボンニュートラルポート(CNP)検討会」の2回目の会合を開いた。
苫小牧港においてCNPの形成を目指し、関係団体や民間事業者等と検討を進めるもので、1月に続いての開催。第1回の検討会では、CNP検討会開催の趣旨や今後の進め方について協議し、今回は北海道開発局で実施したCNPに関わる調査結果や全国の取組状況、民間における先進的な取り組みについて情報を共有した。同港のCNP形成計画は、今年度中に策定する予定。
北海道開発局港湾計画課が、全国21港湾2地域におけるCNP検討会の開催状況とCNP形成計画策定に向けた取り組みが進む全国の先行事例を紹介し、鹿島港や新潟港の事例などを詳しく説明した。
また、苫小牧港CNP形成に向けた基礎調査の結果について、 北海道開発局港湾計画課が令和3年度に北海道開発局で実施した苫小牧港のCNP形成に向けた基礎調査の結果を報告。具体的には、調査対象者の選定、苫小牧港周辺の温室効果ガス排出量の推計結果、対応を検討するための当面の目標案(2030年度46%削減、2050年カーボンニュートラル(2013 年度比))、当該推計結果等を前提とした目標達成に向けた取組シナリオ等を説明した。
参加者からの意見として、水素やアンモニアといった脱炭素エネルギーだけではなく、移行期におけるLNGやバイオマスといったエネルギーの活用方針についても検討すべきと言った意見が挙がった。
このほか、日本CCS 調査のCO2 輸送推進部の野澤寿次氏がCO2の輸送形態、CO2輸送の技術開発、CO2船舶輸送実証について、豊田通商ネクストモビリティ推進部の井上幾郎氏がこれまでの水素供給・利活用、FC(燃料電池)モビリティ関連の取り組みやプロジェクトについてそれぞれ紹介した。