YHC 不適切な引越サービスの請求で行政処分 道内営業所支店も

国交省は1月23日、ヤマトホームコンビニエンス(YHC)の引越サービスに関して不適切な請求が存在していたことから、行政処分と事業改善命令を行ったと発表した。

昨年7月、YHCから、法人顧客向け引越サービスにおいて不適切な請求があった事実が報告され、国交省から発生原因の究明等について報告を求めた結果、8月に親会社のヤマトホールディングスに設置された調査委員会による調査報告書が提出された。
8月以降、本事案に関する事実確認等を行うため、YHCの本社、全統括支店(11統括支店)及び全営業所支店(128営業所支店)に関して、貨物自動車運送事業法第60条第4項に基づく監査を実施した。
監査結果等を踏まえ、関係する地方運輸局長等より、下記の通り①「行政処分」と②「事業改善命令」を行った。

①関係する営業所支店(123支店)に対する同法第33条に基づく行政処分(同法第25条第1項の違反)。
(見積り時に比べて実作業時の荷物量が減少した場合について、認可を受けた約款に反し請求額の修正を行わずに運賃等の収受を行っていたことについて、同法第25条第1項(荷主に対し不当な運送条件によることを求めてはならない旨等を規定)に違反するものとして行うもの)
・ 基本的には10日車(1両×10日)の車両の使用停止処分
・ 一部の営業所支店については、処分を加重
・ 一部の営業所支店については、輸送の安全の観点からの処分も併せて行う

② 今後の同社の引越運送業務に関して、利用者の利便を確保するための業務体制の再構築等を求めるための措置として、同法第26条に基づく事業改善命令。
・適正な見積りの実施及びそれを担保するシステムの構築
・見積り内容と実際の荷物量等との整合性の確認体制の構築
・適切な約款の整備
・従業員への教育等の徹底
・社内のコンプライアンス確認機能の強化

北海道管内での営業所支店の行政処分は下記の通り。
・車両の使用停止処分(10日車)の営業所支店:札幌西支店、札幌南支店、函館支店、苫小牧支店、旭川支店、帯広支店、北見支店、釧路支店。
・輸送の安全の観点からの処分(車両の使用停止処分20日車(うち、10日車分が輸送の安全関係部分))も併せて行う営業所支店:札幌支店。

YHCでは、「現在、引越に関わる全サービスについて、多方面から点検を行っております。『引越らくらくタイムリーサービス』に代わる家族向け新引越サービスは、これまでのサービス内容の抜本的な見直しをはじめ、運用ルールの策定や社員への教育、加えて徹底した対応に不可欠となるシステム構築に時間を要するため、来期以降の再開となる見込みです。また、単身引越等、家族向け以外の引越サービスも、コンプライアンスおよびガバナンスの徹底を図るため、約款や業務オペレーションをはじめとした総点検に取り組んでいるところであり、再開時期はまだ決まっておりません」とし、「まずは、事業改善命令に記載の措置等を速やかに講じ、2月25日までに国交省に報告いたします。また、同事業改善命令での指摘事項が解消されサービスを提供できるよう、全社をあげて取り組んでまいります」「ヤマトグループのサービスを利用いただいている全てのお客さま、および関係者の皆さまに多大なご迷惑ならびにご心配をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます」としている。

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