岩見沢市(松野哲市長)とSGムービング(角本高章社長、東京都江東区)、小型家電リサイクル事業を展開するリネットジャパンリサイクル(中村俊夫社長、大府市)は12月15日、連携協定を締結し、自治体公認の家電リサイクル法指定4品目を含む使用済み家電を自宅から回収するサービスを開始したと発表。
インターネット・電話から申込み後、収集運搬許可を保有する事業者が希望日時(年中無休・最短翌日)に 回収に向かう。大型の家電製品は収集運搬業者が搬出するため、利用者が持ち出す必要がなく、リサイクル券の購入や配送伝票の記入・準備も不要となる。回収後は、家電リサイクル法・小型家電リサイクル法でそれぞれ定められている処理方法に則り、再資源化される。なお、利用料金は、住所や品目・メーカー・サイズ等によって異なる。
家電リサイクル法の指定4品目(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン)と、小型家電リサイクル法の対象製品(電子レンジ・掃除機・空気清浄機・ドライヤーなど)は、排出時に準拠する法律が異なることから、「回収の手続きを別々に行う必要がある」「家の中から指定場所への搬出が難しい」「無許可業者により不適正に回収されている」といった課題があった。
また、従来は一般消費者(排出者)が店頭で新しい製品を購入する際に使用済み製品の回収を依頼するという運用が一般的だったが、昨今では通販サイトで家電を購入するケースも多く、使用済み製品を処分するスキームが不足していた。
その結果、自治体は処分方法の問い合わせや無許可業者による不適切な回収への対応などの負担が大きくなり、正しいリサイクルを一層進めていくことが求められていた。
こうした課題へ対応するために3者は連携協定を締結し、SG ムービングとリネットジャパンが提供する「自宅内からの搬出作業にも対応した使用済み家電の回収サービス」を活用した取り組みを行うこととした。
今後、岩見沢市が発行する各種媒体物を通じて使用済み家電の便利で正しい処分方法について住民の方への広報を行うなど、互いのリソースやノウハウを有効に活用し、「持続可能な暮らしやすいまちづくり」と「社会課題の解決・改善」に取り組んでいく。
SGムービングの角本社長は「当社は、消費者から生産者へ戻っていく静脈物流に着目し、家電リサイクル法の指定4品目を回収するマッチングシステム『SG-ARK』を展開している。このたびの連携により、『SG-ARK』を活用した住民の利便性向上や自治体の業務負荷低減に寄与するとともに、適正な家電リサイクルを促進することで循環型社会の構築に貢献したいと考えている」とコメント。
リネットジャパンリサイクルの中村社長は「このたびの協定締結で、岩見沢市における住民サービスの向上・循環型社会の構築 に向けた取り組みが更に拡大すると期待している。本サービスを行政回収の一環として、末永く住民に必要とされる取り組みに発展させていきたい」とコメント。
岩見沢市市民環境部廃棄物対策課の沢永宣之課長は「市民が家電4品目を処分したいとき、従来は収集運搬事業者に引取の依頼をしたり、郵便局にてリサイクル料金を支払ったうえで指定引取場所へ持ち込むなど、処分方法が限られていた。本協定の締結により、インターネット・宅配便を利用して家電4品目の処分が出来るようになり、市民の利便性が向上するとともにリサイクルの促進にもつながると考えている」とコメント。