旭川開発建設部は11月18日、道の駅「もち米の里☆なよろ」(名寄市)を拠点として、トラックの中継輸送の実証実験を行うと発表した。
トラックドライバーの拘束時間の短縮・長時間労働の解消に加え、道内地方部における物流の維持を目指す。また、幹線道路沿いに位置する「道の駅」の物流拠点としての可能性や課題を検証する。
同21日から12月18日までの約1カ月間にわたり、「ヘッド交換」「ドライバー交換」「荷物積み替え」ーの3パターンの中継輸送を実験する。
10月に協力する運送事業者を募集し、北海道開発局と「生産空間の維持・発展に資する連携協力協定」を結び、昨年度も同実験に協力したヤマト運輸をはじめ、新たに札樽自動車運輸、ほくうん、ウェーブ、協進運輸、西村運輸、道央通商旭川、五十嵐運輸、眞嶋食品の合計9社が参加する。
名寄市の「道の駅」を拠点とした中継輸送の実験は昨年11月、北海道開発局とヤマト運輸が4日間にわたって行なった。片道約300㎞ある「枝幸〜札幌」間の輸送において、「道の駅」の駐車場を拠点として、トラック2台によるトレーラヘッド交換を行った。
この結果、ドライバー2人の拘束時間が40%あまり削減したほか、人件費・トラックの燃料費・高速道路の料金等の輸送費用が約45%低減、併せて、トラックからのCO2排出量が約50%軽減した効果を確認した。
一方、参加者からのヒアリングを通し、「集荷のタイミングの不一致」「トレーラー以外が利用できる仕組み」「「一般車両と分離した動線や専用スペース」「車両の一方通行化」「一時保管スペース」夜間照明の設置」「事前予約システム」といった課題を抽出した。
これらの課題の解消に向け、今年度は中継輸送スペースのレイアウトを変え、「約1カ月間・24時間利用可能な中継輸送スペース」「トラック同士を横付けし、ドライバー交換や小規模荷物の受渡しも可能なスペース」「一般車両との交錯機会を抑制したスペース」「照明あるスペース」を設定した。また、「一時保管ニーズの聞き取り」「スマホで設定や確認が可能な事前予約システムの実装」を行い、検証を行う。