「スマートモビリティシンポジウム in HOKKAIDO」

北海道経済産業局は2月28日、TKP札幌カンファレンスセンターで「スマートモビリティシンポジウム in HOKKAIDO」をオンライン併用で開催した。北海道運輸局、北海道開発局、北海道が協力。
北海道において自動運転やMaaSの普及啓発と導入促進を図ることを目的し、自動運転などに関する最新情報、道内外の事例紹介、先進モビリティサービスの道内における導入可能性についてディスカッションを行った。

上士幌町役場デジタル推進課の梶達課長が「上士幌町における自動運転バスの運行実証について」と題して講演し、2017年10月に道内で初めて公道で自動運転バスの実証実験を行い、2019年10月には日本で初めて公道で貨客混載を行ったことを紹介。自動運転するモビリティをデマンド化し、予約を可視化したことで、「モビリティの空き時間の有効活用」につながったとし、「福祉バスの空き時間に荷物を運ぶ客貨混載」や「大手物流企業の配送車両の空き時間に高齢者を乗せる貨客混載」を実施できたと述べた。
また、市街地から離れた農村地域への物流の効率化に向けて、トラックとドローンを活用した「空陸ハイブリット配送」に取り組んでいることを紹介。自動運転モビリティとドローン共通の輸配送管理システム(TMS)の活用により、「配送ルートやモビリティ選択の最適化」「ヒトとモノの移動に関するコスト削減」につなげていきたいと述べた。

札幌市立大学の中島秀之学長が「AIを活用した地域の公共交通の新たな展開について」と題して講演し、モビリティへのAI活用の可能性と社会実装の状況を解説。経産省製造産業局自動車課ITS・自動走行推進室の井澤樹課長補佐が「経産省における自動走行に関する取組」を説明し、2025年度頃に高速道路でのレベル4自動運転トラックやそれらを活用した隊列走行の実現を目指すと述べた。「2024年問題により、荷物が安定的に届くことが当たり前ではなくなる可能性がある。自動運転はこの課題解決に寄与する。物流では幹線輸送の分野が最も自動運転の付加価値が高い」と述べた。

このほか、 「自動運転(レベル4)の普及を踏まえた先進モビリティによる地域課題の解決について」と題したパネルディスカッションが行われ、室蘭市、帯広市、江差町、上士幌がそれぞれの取り組みを紹介した。

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