Rapidus 千歳市に最先端半導体工場建設を決定

Rapidus (小池淳義社長、東京都千代田区)は2月28日、新たに建設する最先端半導体工場の建設予定地として、千歳市を選定することを決めたと発表した。小池社長が北海道庁を訪問し、鈴木直道知事に伝えた。今後、政府による計画や予算承認を経て、具体的な準備を始めていく。投資規模は5兆円規模を見込んでいる。

同社は昨年12月にIBMとの共同開発パートナーシップを締結、これに基づきIBMの2ナノメートル(nm)ノード技術のさらなる開発を共同で推進して、今回決定した製造拠点に導入していく。工場は、2025年に試作ライン、2020年代後半に量産ラインを立ち上げることを目標としている。

小池社長は「千歳市は、水、電力等のインフラに加えて、自然環境との調和においても、半導体の生産に最適であり、また、研究者や工場で働く従業員にとっても、充実した生活を営んでもらえる環境が整っている。グローバルでの人材交流やエコシステムの発展等、中長期的なポテンシャルがある点を踏まえ、工場の予定地として選ばせていただいた。今後、政府による計画や予算の承認を経て、具体的に千歳市とも話し合いを始めていきたい」とコメント。

鈴木知事は「この度、Rapidusが、最先端半導体工場の建設予定地として、北海道千歳市を選定することを決定された。今月16日、私から小池社長に対して本道への立地を要請したところ、本道の立地優位性や道の政策、さらには熱意を評価いただき、北海道への立地を早急にご英断いただいた。この決定を契機に、北海道に貢献していきたいとのご意向により、『ほっかいどう応援団会議』への参加もいただき、重ねて感謝申し上げる」と述べた。
また、「Rapidusが技術開発・量産製造を目指す最先端半導体は、量子、AIなどを含むさまざまな分野で大きなイノベーションをもたらし、我が国の半導体産業の再興・発展、デジタル化や、本道の『ゼロカーボン北海道』と我が国のカーボンニュートラル、更には経済安全保障の鍵となる極めて重要な中核技術。また、製造に加え、研究、人材育成等が一体となった複合拠点の立地の実現により、道が振興してきた、ものづくり・デジタル産業の飛躍はもとより、世界中から研究者や技術者が集うデジタル人材拠点の形成につながることが期待できる。道としては、『メイドイン北海道』の世界最先端・最高水準の技術を世界に届け、研究開発や人材育成など、最先端半導体の中心的な拠点整備が、本道において円滑に進められるよう、国や千歳市とも密接に連携していく」としている。

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