幸楽輸送(不動直樹社長、札幌市清田区)は9月27日、札幌グランドホテルで「創立50周年記念祝賀会」を開催、従業員や協力会社などから約120人が参加し、同社のこれまでの歩みと今後の事業の隆盛を祝った。日本環境設計の岩元美智彦会長が「市民とつくる、市民がつくる『捨てない未来』」と題して記念講演を行った。
同社は北海道コカ・コーラボトリングの100%子会社で1969年1月に音更町で設立、71年に札幌営業所、79年に旭川営業所、94年に石狩事業所をそれぞれ開設。この間、85年に札幌市清田区に本社を移転。
事業内容では、74年に北海道コカ・コーラボトリング構内作業を全面請負し、一般貨物自動車運送事業をスタート。03年に特定労働者派遣事業許可、第二種利用運送事業許可(JR貨物)をそれぞれ取得。近年は、海外取引(キャップ輸送)や本の宅配事業、白油輸送などを開始したほか、「北海道を元気に」をキーワードに既存インフラを活用した共同配送など物流効率化に向けた様々な取り組みを積極的に手がけている。また、SDGsを意識した事業を多く進めている。
不動社長は、「50年の重みを感じている。私は北海道コカ・コーラグループに30年以上関わり、幸楽輸送の社長として12代目、6年目を迎えている。先輩たちが築いてきたものがあって、ここにいると思うと、一生懸命にやらなければと改めて感じている。協力会社の皆様も一緒にコカ・コーラを運んでもらっているが、想いは一緒で、一生懸命にモノを運んで、世の中に貢献している。これからの50年に繋げられるよう毎日活動したい」と挨拶。
また、「本当に幸せだと思うのは、『物流業は全てのことに必ずかかわっている』という点。物流なしで動いているものは一つもなく、『我々が一生懸命やらない限り、世の中は回らない』と自負している。特に北海道は、冬期の路面や運行距離の長さ、物流コストの高さなどデメリットが喧伝されているが、逆に取れば、『物流が頑張ると北海道もやれる』ということ。そういう意味では、物流を担っていることに幸せを感じ、やることがたくさんあると思っている」と物流事業に対する想いを述べた。
北海道コカ・コーラボトリングの佐々木康行社長は、「当グループには4つのグループ会社があり、幸楽輸送は最も歴史が古い。50年の間、コカ・コーラとともに苦楽を共にして一心同体で活動してきた。北海道にコカ・コーラが生まれたのは1963年。それから6年の時間が経ち、そろそろコカ・コーラが北海道で定着し始め、ますます拡大させようという時期に幸楽輸送は創設された。札幌と帯広の工場で作った製品を全道各地に『いつでも、どこでも、誰にでもおいしく飲んでいただける』ようお届けする物流事業をスタートさせた。半世紀が経ち、今やグループの中核企業に成長した。50年間、持続してこられたのは、諸先輩の並々ならぬ努力、協力企業の並々ならぬ支援があったから。北海道コカ・コーラボトリングは地元で生まれた企業。幸楽輸送も同じ。地元企業として地域に貢献しようという意識を持って、相互信頼に基づいて皆様方とgoodwill(好意・善意)を築いてこられた」と幸楽輸送の歩みを紹介。 「この良き伝統を次の50年に繋げていきたい。これからの企業は、社会と経済を両立させることが大きな役割。この両立を不動社長の力強いリーダーシップで実現してほしい」と今後の展開に期待を示した。
祝賀会では、ヒストリームービーが放映され、この中で「これまで私たちはたくさんの道を走ってきました。雨の日も風の日も雪の日も、社会や物流を取り巻く環境が変わろうとも。今日まで走り続けてこられたのは、いつの時代も何かを届けたい人と、それを待っている人がいたから。モノだけでなく、想いも一緒に運ぶこの仕事に、大きな誇りを感じています」とのメッセージを訴えた。