アジア通販サミット2019 札幌で開催 北の達人コーポレーションなど表彰・講演

アジア通販サミット2019が9月25・26の両日、札幌パークホテルで開催され、各国の先進的な取り組み事例の講演や、各種表彰が行われた。
日本通信販売協会、中国電子商会、韓国オンラインショッピング協会の3カ国の通販業界団体により共同開催される国際会議で、今回で8回目。今回は新たにASEANの事業者も参加した。

日本通信販売協会の阿部嘉文会長は、「同じ事業に関わるアジアの皆様が国境を越えて集まり、意見を交換しあえるのは大変素晴らしいこと。通販は各国になくてはならないインフラとなり、多くの人々の生活を便利に、豊かにしてきた。地方に住む買い物が不便な人たちにも、都会と代わらない商品をほぼ同じ価格で届けるという社会インフラとしての使命も果たしてきた。これはどの国においても変わらない使命と思っている」と挨拶。

続けて「最近は、モノを売る事業から、サービスや文化を売る事業へと範囲を広げ、シェアリングサービスや役立つ情報コンテンツの提供、マッチングによる最適な繋がりの提供など、ますます未来型の事業へと発展を遂げようとしている。これらは皆様の努力と未来を見つめる確かな目、そして人々を物質的だけではなく、文化的にも豊かにしたいと願う熱い心によるもの。今や通販はモノを売る小売事業ではなく、各国の人々の文化を新たに創造し、リードしていく存在へと変化しつつある。便利さを提供する存在から、さらに文化を創造していく存在へ、国と国の違う文化を結びつけて地球を発展させていく存在へ、その役割はますます大きくなるばかり」と呼びかけた。

表彰式では、インターネットショッピング賞を北の達人コーポレーション(札幌市中央区)、越境EC賞をスクロール360(浜松市中区)が受賞。このほか、テレビショッピング賞、モバイルショッピング賞、環境社会貢献賞、次世代コマース賞などの表彰が行われた。

インターネットショッピング賞を受賞した北の達人コーポレーションの木下勝寿社長が基調講演を行い、同社の事業概要や経営理念を説明。
創業20年、従業員は140人程度で売上高100億円あまりのEC企業だが、東証一部に上場し、従業員1人あたりの利益が2000万円超、ROEが64%と高い利益を実現しているポイントを語った。
「ブームを追わず、消費者の悩みを解決することにフォーカスしている。自分たちが自信をもって薦められる『びっくりするくらい良い商品』を開発できた場合のみ販売している。通販は広告を出せば売り上げが伸びるが、その分販売コストがかさむ。当社では出稿した広告を細かく分析するための独自のKPIを設定し、無駄な広告を出さないことを徹底することで高収益を実現している」と述べた。

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