日本初「レベル3.5」でのドローン配送事業 詳報

NEXT DELIVERY (田路圭輔社長、北都留郡)、エアロネクスト(同社長、東京都渋谷区)、セイノーホールディングス(田口義隆社長、大垣市)、上士幌町(竹中貢町長)は12月13日、国交省より新設されたドローン飛行レベル「レベル3.5」の飛行承認を同8日に受け、上士幌町において、日本初となる「レベル3.5」でのドローン配送事業を同11日に実施したと発表。

レベル3.5の新設には、11月17日に開催された「規制改革推進会議」の第1回スタートアップ・投資ワーキング・グループの部で、国交省がドローンに関する規制緩和と今後の方針の説明内で触れられたもので、年内に実施開始予定と発表されていた。

レベル3.5とは、デジタル技術の活用(機上のカメラによる歩行者等の有無の確認)により、補助者や看板の配置といった現在の立入管理措置を撤廃するとともに、無人航空機の操縦ライセンスの保有および保険への加入により道路や鉄道等の横断を伴う飛行を容易とするもの。ドローンの運用コスト削減と業務の効率化につながる。

配送には物流専用ドローン「AirTruck」を使用し、運航管理は有資格者が山梨県小菅村より遠隔で行った。説明会場となった上士幌町山村開発センターでは、NEXT DELIVERY取締役(運航統括責任者)青木孝人氏が、運航管理画面、飛行中の機上カメラからの映像、小菅村での遠隔運航管理状況を大型スクリーンに投影しながら、報道関係者にレベル3.5の飛行について説明。国交省航空局も見守る中、2本の運航を実施した。

1本目はかみしほろシェアオフィスからハンバーグレストラン「トバチ」までの往路約8.5㎞を約16分で飛行し、ハンバーグ弁当を集荷した後、復路8.5kmを約16分かけて戻り、配送を完了した。ハンバーグレストラン「トバチ」では、機上のカメラで着陸地点の安全をリモートパイロットが確認したうえで補助者なし着陸を行い、復路には、レストランスタッフが箱に入れたハンバーグ弁当2個をAirTruckに取付けた。。ルート途中には国道横断があったが、機上カメラから安全を確認のうえ、一時停止することなく配送した。

2本目はかみしほろシェアオフィスから町民の個人宅まで、往路片道約4.9㎞を約9分で新聞を配達し、シェアオフィスまで復路を戻り往復飛行した。受取り側では、機上のカメラで安全を監視することで、補助者なしの無人での配送を実施した。

エアロネクスト、NEXT DELIVERYでは、セイノーHDと共同して、地域課題の解決に貢献するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」を推進しており、すでに全国で上士幌町を含む9自治体で社会実装フェーズに入っている。今回の実施を皮切りに、これら9自治体で順次レベル3.5飛行を開始し、社会実装のスピードを加速化していくとしている。

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