北ト協・札ト協「価格交渉セミナー」 2社が交渉のポイントを発表

北ト協と札ト協は12月12日、京王プラザホテル札幌で「価格交渉セミナー」を開催、富良野通運の永吉大介社長が「農産品を主体とした輸送の価格交渉について」、札幌豊興の村元良美専務が「我が社の価格交渉とドライバー安定継続雇用策」と題して事例を発表し、ともに「交渉資料の内容」や「社内・荷主とのコミュニケーション」の重要性を指摘した。

永吉社長は「10年以上変わっていない運賃表が多い中、今年度は運賃を上げる前提で従業員の給料を引き上げ、背水の陣を敷いた」とし、「誰がいつどの荷主の担当者と、どのような交渉を行うか」を示す一覧表を作成し、折衝状況の見える化を図っていると報告。1社の荷主でも、請け負っている業務ごとに交渉を行い、また、トップによる直接交渉も進め、その際、グラフやポンチ絵、裏付けデータなどを豊富に使用した「荷主の担当者が、社内で役員や経理担当者に説明しやすい資料」を提示し、輸送実績のほか、課題やその原因までも示していると説明した。

村本専務は、価格交渉をスムーズに進めるには「高い輸送品質」「従業員の礼節」「定期的な訪問と情報提供」などが前提だとし、その上で荷主の状況を把握し、「視覚に訴える資料」を提示していると説明。また、輸送品質を維持するには「従業員の安定継続雇用」が必要だとし、「退職金制度や勤続手当、評価制度の整備」「付帯作業の軽減や土曜午後の集配中止」「社内での積極的な声かけによるメンタルケア」などを行うことで、離職率が劇的に改善したと報告、「荷主にも、従業員にも、相手の立場に立って同じ目線を持つよう意識することが重要」と話した。

このほか、NRIJの観音寺一嵩社長が「価格転嫁に向けた交渉ノウハウの習得」をテーマに講演、様々なテクニックを紹介した。

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