「北海道ドローンフォーラム2022」開催

北海道(鈴木直道)とNTT東日本北海道事業部(阿部隆北海道事業部長、札幌市中央区)は8月30日、シャトレーゼガトーキングダムサッポロで「北海道ドローンフォーラム2022」を開催した。北海道ドローン協会が後援、北海道経済産業局が協力した。

物流をはじめ、農業や土木・建築、災害時などにおいて導入されているドローンの「北海道における社会実装」を推進することが目的。ドローンに関する各種講演や実機の展示のほか、各関連団体・企業とのマッチング機会の創出を行なった。

北海道ドローン協会の三好達也幹事が「北海道におけるドローンの今後の展望」について基調講演し、近年のドローンに関する法律やルール整備の進捗状況や、道内での利活用の状況を説明。

北海道においてドローンの導入が向いている分野の1つとして物流を挙げ、「現在は実証実験の段階だが、今後は都市部における個別配送などが期待される。これはカテゴリーⅢ飛行解禁により、ルール上は可能となるが、いきなり大都市の物流が解禁されるのではなく、しばらくは小都市における実証実験が続く見込み。多くの機体は航続距離が2㎞程度と短いことが課題」と述べた。
また、災害時の物資輸送、林業における物資輸送などへの活用が期待できるとし、「制度が充実しつつあり、リスクの整理がある程度ついてきた2022年は、ドローンに取り組むには良いタイミングである」と強調した。

北海道総合政策部の中村昌彦次世代社会戦略監が、「ほっかいどうドローンワンストップ窓口」を設置したことを報告し、北海道は人口密度が全国で一番低く、ドローン利活用の最適地と述べた。
このほか、道内自治体の取り組みとして、上士幌町、当別町、更別村がそれぞれ利活用事例を紹介。上士幌町では今年度、ドローンによる「牛の受精卵配送」「生乳検体の配送」「買い物の配送」などを行ない、さらに「ドローンデポを物流拠点とし、ドローンとトラックの最適な配置を探る荷量調査」を行うと報告した。

鈴木知事は「ドローンは既に道内様々な分野で作業効率化や省力化に貢献している。道としてもワンストップ窓口を設置し、既に多くの相談をいただき、マッチングを行なっている。積雪寒冷地の北海道は自動車テストコースが日本一多く、自動車産業を支えてきた。ドローンにおいても積雪寒冷条件下でのトライ&エラーを繰り返し、そのような地位を目指したい。今年12月に予定している改正航空法施行により、有人地帯における目視外飛行が解禁され、ドローンは今後、益々注目を集める。物流などでも利用拡大が進んでくる。今回のフォーラムを契機として、ドローンの利活用の機運を盛り上げていきたい。道民の暮らしと道内経済を変えるドローントランスフォーメーションを目指していきたい」と語った。

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