日本気象協会(長田太理事長、東京都豊島区)、Spectee(スペクティ、村上建治郎社長、同千代田区)、トランストロン(林瑞泰社長、横浜市北区)は10月18日、AIによる車両の運行データ解析の実証実験を実施したと発表。
トランストロンのデジタルタコグラフを導入している幸楽輸送(不動直樹社長、札幌市清田区)が実験に協力した。このほか、池田運輸(池田正一社長、富山市)も協力。
日本気象協会、スペクティ、トランストロンの3社は2月、AI等の先進技術を活用した車両の運行データの解析により、運送事業者の安全な運行を可能にするための路面情報や周辺気象情報の抽出を目的とする実証実験の覚書を締結、6月末までの期間でこれを実施した。
幸楽輸送と池田運輸の両社の車両が走行中に取得した路面の画像データを、日本気象協会の気象データとともにスペクティのAIで解析を行い、乾燥、湿潤、凍結、積雪といった路面の状態を判定した。
実証実験を通じて、実用化に向けた有効なデータが得られたため、今後は精度向上に努め、実用化に向けて検討を進めていく。
今回の実証実験は、デジタルタコグラフから取得した現実世界のデータを、サイバー空間でAIを用いて解析し、それを現実社会にフィードバックする「データ駆動型社会」を体現した取り組み。
「今回の結果を基礎にして、今後さらに試行を重ね、早期の社会実装に結び付け、防災等への活用を進めていきたい」としている。