道内運送事業者有志による勉強会の運送事業経営塾(工藤英人塾生代表、工藤商事)は6月17日、札幌すみれホテルで第6期目5回目となる例会を「事故防止」をテーマとして開催、全道から20人が参加した。各社が事故防止に向けた取り組みや課題について発表し、意見交換を行いながら、情報共有を図った。
「デジタコやドラレコの活用」「定期的な安全会議の開催」「安全意識を高める内容のレター発行や掲示物の活用」「添乗指導の実施」「外部講師による安全研修の開催」などの基本的な取り組みのほか、「社内ルールに関する抜き打ちのペーパーテストを行い、全員が100点を取るまでしつこく指導する」「事故を起こしたドライバーは帰社後、自社構内で実車を用いて同様のシチュエーションでどのように動けばいいかすぐに指導する」「他社から『遅い』というクレームも多いが、法定速度の順守を徹底させている」「ISO39001を取得し、定めた目標達成に向けてPDCAサイクルを回している」「取引先にドライバーに関するアンケートやヒアリングを実施している」「軽貨物ドライバーにも適性診断の受診を検討している」「ドライバーにスマホを支給し、LINE WORKSを活用し、様々な事故動画を毎日見てもらっている」といった独自の取り組みが発表された。
また、反対車線にはみ出してきた車両と衝突する重大事故が発生した際、「こちらの過失がなかった場合でも、ニュースなどで事故現場の映像が流されると、対外的には『サイズが大きいトラックが加害者』と悪いイメージで取られてしまう」「過失がなかった場合でも、新聞にドライバーの実名や住所が掲載され、腑に落ちない面があった」といった複数の実例が報告された。
このほか、同塾オブザーバーの弁護士、行政書士、保険代理店による事故防止や事故後の対応などについての最情報提供が行われた。発表されたばかりの「交通事故統計及び事故事例の分析に基づき実施すべき死亡・重傷事故の低減対策のポイント」についての解説も行われた。