道経連 「道内物流効率化に資する農産品貯蔵施設・運送事業における課題と解決策の検討」報告書

北海道経済連合会は3月29日、「道内物流効率化に資する農産品貯蔵施設・運送事業における課題と解決策の検討」と題した報告書を発表した。
道内の農産品に限定した物流に焦点を当て、課題とその解決策の検討を試みたもの。「トラックドライバー不足の現状と対応」、「農産品出荷量の平準化に必要な貯蔵施設や加工施設の現状」、「IOTの活用やロボット活用の必要性と課題」などについて、道外移出の拠点迄・道内間輸送の面から聞き取り調査を行い、今後の対応と取り組み方法を検証した。

「IOT、ロボット、AI、ビックデータの活用などにより、労働力不足やトラックドライバー不足を補っていく方向性」は今後も変化はしないとし、①「貯蔵施設(加工・選別)等のハード・ソフト面の強化による課題と解決策」、②「共同配送・荷待ち時間の短縮に向けた課題と解決策」、③「効率化への解決策」に関してそれぞれ取りまとめた。

①「貯蔵施設等のハード・ソフト面の強化による課題と解決策」については、「ピークカットや労働力不足解消のために生産地に設けられている貯蔵施設や加工・選別施設は、IOT やロボット化が進み、6次産業化も地域の労働者の通年雇用や、平準化に成果を上げている。しかし、レンタルパレットの 片荷問題や、回収率低迷などの課題も見受けられる。トラックドライバー不足の対応にも取り組んでいるが、サプライチェーン全体での解決策構築が重要である」と指摘。

②「共同配送・荷待ち時間の短縮に向けた課題と解決策」については、「片荷問題の改善や作業の効率化を目指し、中小運送事業者同士の横の繋がり・荷主同士などの共同配送のネットワークを構築し、少しでも運送業界の収益改善が進めばトラックドライバーの賃金引上げや、待ち時間短縮による労働環境の改善を生み、ドライバー人口の増加に繋がって行くと考える」と指摘。

③「効率化への解決策」については、「荷主と物流事業者やそれらをお互いに支える関係業種共同での取組や改善は、効率化を図っていく上で重要であり、物流の標準化(ソフト、プロセス、ハード)に向けての一歩であると考える。 農産品物流において、物流のデジタル化をどこ迄取り込むことができるかという事は、他の物流事業(EC 市場)などへのトラックドライバー流出を防ぐ為にも必要な要素である」と指摘している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする