出光興産(木藤俊一社長、東京都千代田区)は2月2日、北海道製油所(山岸孝司所長、苫小牧市)の操業機能を集中管理するプロダクションセンター(PC)をZEB化すると発表した。着工は2月5日、3月にBELS申請を行い、完工は2025年12月の予定。
PCは、原油の受け入れから製品の出荷までの操業機能を集中管理しており、定期補修期間以外は昼夜を問わず常時稼働している。そのため、消費エネルギー量は製油所内の他の建物よりも大きい。
ZEBの条件として、基準一次エネルギー消費量の50%以上の省エネを達成する必要がある。この条件の達成に向け、PCで使用する空調・換気・給湯・照明を高効率な機器へ更新する。これにより4763GJ/年の省エネとなり、改修前との対比で65%省エネが可能となる。この省エネ効果は、一般家庭の年間電力使用量を400kWhとした場合、約3300世帯分に換算できる。
また。消費エネルギーの削減を行ったうえで、残る消費エネルギーを賄うために製油所敷地内の所員用駐車場にソーラーパネルを新たに設置する。
同社では、カーボンニュートラル社会、循環型社会の実現に向け、既存の製造拠点を新たな低炭素・資源循環エネルギーハブへと転換するCNXセンター化構想を掲げており、各製油所・事業所の既存設備や技術、人財を活用しながら、次世代エネルギーの供給に向けた実証やサプライチェーンの構築を推進している。北海道製油所エリアでは再生可能エネルギーを利用したグリーン水素の製造や合成燃料の製造を実証する予定。PCのZEB化等の取り組みを通じ、再生可能エネルギーのマネジメントに関するノウハウを蓄積することで、北海道製油所におけるCNXセンター化構想を推進していくとしている。