北ト協(工藤修二会長)は5月25日、京王プラザホテル札幌で定時総会を開催した。
工藤会長は「燃料価格高騰や標準的な運賃の対策として、テレビやラジオ、新聞などに広告を出したほか、荷主企業への文書発送、荷主団体への要請などを行い、会員が運賃交渉をしやすい環境作りに努めた。交渉により、運賃アップか燃料サーチャージ制を導入し、切り抜けるほかない。また、11月には財務省と国交相に苫小牧港周文ふ頭の連続バース化に関する要望を行い、国交省事業費予算に盛り込まれることが決まった。整備期間は2022~2027年度で、総事業費は145億円にのぼる。ドライバーの働く環境の改善に向けて少しでも力になれたのではと考えている」などと挨拶。
令和3年度決算では、一般会計は事業活動収入1億1166万円、交付金会計は事業活動収入8億9077万円、近代化基金会計は事業活動収入2202万円、安全運行対策等運営会計は事業活動収入1億3428万円、トラックステーション運営会計は事業活動収入1412万円。
令和4年度予算では、一般会計の事業活動収入1億504万円、交付金会計の事業活動収入9億263万円、近代化基金会計の事業活動収入1969万円、安全運行対策等運営会計の事業活動収入8211万円、トラックステーション運営会計の事業活動収入1414万円などを計上した。
欠員に伴う理事の選任では、同ト協総務部長の伊藤慎氏が新たに理事に就いた。
質疑応答では、同ト協元会長の伊藤昭人氏が「色々と要望したと聞くが、ただ文書を出せばいいというものではなく、結果が出ないのであれば、やり方を考える必要はないのか」とし、雪害対策と燃料価格対策について意見を述べた。
雪害対策では「昨年度は大雪で道内の物流が麻痺し、多くの事業者が困った。これを災害と捉え、災害対策基本法の枠組みを活用し、行政に必要な道路の優先的な除排雪を働きかけることができたのではないか。事業計画にこういった対策を盛り込んで欲しい」と要望。
また、燃料対策では「運輸振興助成交付金の原資とされる軽油引取税は地方税なので、交付金を北海道に返還してでも、暫定税率の免除など燃料価格引き下げの提案を行うことができたのではないか。交付金事業による利子補給や各種助成などの恩恵を受けているのは全会員数の1割くらいしかいない。交付金を受けずに運営する可能性を模索し、地方からこういった声をあげていくことができるのではないか。行動を見せて欲しい」と述べた。
これら質疑に対し、工藤会長は「勉強をして前に進んでいきたい」と応じた。