北ト協は5月26日、京王プラザホテル札幌で定時総会を開催し、工藤修二会長(トッキュウ)が再任した。副会長は、山崎勝也氏(日本通運札幌支店)が新任、他の7人は再任し、理事では、田所博利(麻生運送)、工藤英人(工藤商事)、内山道(新和産業)、沢本一輝(北海運輸)、谷口弘幸(谷口運輸)、日野渉(三ッ輪物流)の各氏が新任した。監事では、西川明敏(明和工業)、川上雅彦(大同運輸)の両氏が新任した。
常設委員会として「道路委員会」が設置されたことが報告され、今年度から事業を進めていく。
工藤会長は「トラックドライバーの時間外労働の上限規制適用まであと3年と迫っている。1月に北海道運輸局、北海道労働局、北海道経済産業局、北海道農政事務所の4行政機関との連名により、道内の荷主企業4466社に対し、標準的な運賃に関する協力文書と資料等を発出した。次はトラック業界が運賃の届出を進め、ドライバーの処遇改善に反映することで、人材不足に対応しなければならない」と呼びかけたほか、「令和4年10月に全ト協事業者大会が札幌で開催されることになり、準備を進めている。コロナ禍が落ち着いた最初の大会となることを期待する。北海道の魅力を大いに発信したい」と述べた。
決算では、一般会計は事業活動収入1億468万円、交付金会計は事業活動収入8億7756万円、近代化基金会計は事業活動収入3070万円、安全運行対策等運営会計は事業活動収入1億1156万円、トラックステーション運営会計は事業活動収入1408万円。
コロナにより未実行だった事業に関する予算の多くが、安全運行対策等運営会計に繰り入れされ、同会計は当初予算より5000万円あまり収入が多くなった。
令和3年度予算では、一般会計の事業活動収入1億502万円、交付金会計の事業活動収入8億8370万円、近代化基金会計の事業活動収入2024万円、安全運行対策等運営会計の事業活動収入5990万円、トラックステーション運営会計の事業活動収入1426万円などを計上した。
また、質疑応答で「前年度は全ト協が会費免除の期間があったが、その分の会費をどのように扱ったのか」と「北海道運輸局が発注する運送業務に標準的な運賃が適用されているのか。協会としてどのような働きかけをしているのか」という2点の質問があった。
前者の質問について、同ト協では「上部団体負担金は当初予算で約2750万円だったが、決算では約920万円と1830万円少なくなった。一旦徴収した会費免除分の扱いは、正副会長会議で諮り、各地区ト協に戻した。そこから先は各地区それぞれの対応となり、把握していない」と回答。
質問者は「各地区がどのように対応したのか、会員が支払ったお金が最終的にどのように使われたのかを管理しないのは、上部団体として問題。こういったお金の流れを誰が把握しているのか。ここまでしっかりと監査すべきではないか」と意見した。
後者の質問に対して、同ト協では「意見は承知した。行政機関では入札もあり、直ちに全てに適用するのは難しい面もある。上部団体や運輸局等に意見を伝える」と回答。
質問者は「標準的な運賃の浸透を進める運輸局がきっちりと支払っていないとなると、言行不一致となる。会長自らが運輸局に行き、標準的な運賃を支払ってもらえるのか確証をもらってほしい」と述べた。