内閣官房と北海道、札幌市は2月14日、札幌プリンスホテル国際館パミールで「AI北海道会議」の設置記念シンポジウムと交流会を開催し、ドローンや自動運転などの事例を紹介した。道内の市町村、道内外スタートアップ関係者、道内経済団体・企業、行政関係者ら500人以上が参加した。
「AI北海道会議」は、内閣官房が北海道と札幌市の連携のもと昨年発足されたもので、道内179市町村が企業と連携し、AIなどの技術を活用して地域課題解決とイノベーション創出を目指す全国で唯一の会議体。北海道から規制改革の提案を発掘して、国のデジタル行財政改革会議などに繋げていく。
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技術実証の事例紹介として「物流におけるラストワンマイルの取り組み」をテーマに上士幌町とNEXT DELIVERY(山梨県北都留郡小菅村)が同町で社会実装が進むドローンと陸送をミックスした配送サービスについて説明。
竹中貢町長は「農村部など物流の条件が不利な地域の配送をドローンが担うことで、市街地のトラック輸送も効率化する。町内では、農村部の荷物量は2割しかないが、配送時間の8割を占めている。これらの荷物の約45%がドローンで配送可能」と紹介。「ドローン配送に置き換えると軽バンの配送効率が1・5〜2・5倍に跳ね上がる。また、荷物が増えるに伴い、ドローンの配送コストも下がる。2023年には1個当たり1万4000円近いコストがかかったが、2025年には1000円あまりと92%削減できる見通し。2027年には500円台の単価を目指しており、これならドローン配送が採算が取れるサービスとなる。実現には荷物の集約化がポイント」と説明した。
今後、カメラに変わるAI検知システムの実装により、「ドローンの多数機同時運行」の実現などを目指したいとした。
このほか、福島町とNTTの関連会社が道内でのドローンの活用事例を紹介、また、内閣官房デジタル行財政改革会議事務局の小林剛也参事官、ソフトバンクの青野史寛専務執行役員らが講演を行った。
同会議は今後、実証のための支援制度を設けるほか、国内外との連携拡大を目指す。