釧路市は1月29日、札幌市民交流ブラザで「釧路港ポートセールス2025兼第3回釧路港物流ワーキング」を開催、釧路港湾協会が後援した。
例年開催している「釧路港ポートセールス」と「釧路港物流ワーキング」を同時に開催し、講演やパネルディスカッションを実施、釧路港の将来像や利用促進策について議論した。
北海商科大学の相浦宣徳教授が「釧路港〜モノの最終到着港からひがし北海道を支える結節拠点へ」と題して基調講演を行い、「昨年12月に釧路と帯広、札幌をつなぐ道東自動車道が開通し、道内各地からのアクセスが向上した。釧路港が物流事業者から選ばれる港湾になるには、積み替え拠点の整備、シャシー位置管理を含めた荷役の効率化、ヤードの大型化、電源プラグの設置など多くのことが求められる。いかに道内の陸上輸送を担保できるかが重要だ」と述べた。
また、「これからの釧路港のポテンシャル」をテーマにパネルディスカッションが行われ、イオン北海道の石田将物流改革マネージャー、川崎近海汽船釧路支店の塩見圭支店長、浜中運輸の神林剛専務がパネリストとして登壇し、それぞれ同行の活用状況を報告。あわせて、「北海道の移出・移入は苫小牧港が中心だが、これを一部でも釧路港に変えることで、ドライバーの拘束時間の問題を解消できるケースがある」「より多くの荷主が活用しやすい時間帯に船の着時間変更してほしい」「港湾の後背地で一時保管や積み替えを行うことができる拠点整備がポイント。釧路市だけではなく、周辺の自治体、国や道の協力により整備を進めてほしい」といった意見があがった。
釧路市水産港湾空港部は「今年度、釧路港将来ビジョンを作成し、今後これに基づき、釧路港長期構想の策定を進め、令和8年度に港湾計画の改定を行う。これらのプロセスに対し、多くの企業に参画してもらいたい」と呼びかけた。