札幌国際情報高校「グローバルビジネスセミナー報告会」 高校生は物流事業者の話をどう受け取ったか

北海道札幌国際情報高校(志知芳彦校長)は11月24日、同校で「グローバルビジネスセミナー報告会」を開催した。10月に開かれた物流に関する体験会で学んだことを、参加した生徒が6班に分かれて発表した。

10月の勉強会は、北海道運輸局と札ト協が「物流産業の重要性を理解し、就職先としての物流業界への関心を高めてもらう」ことを目的に開いたもので、石狩湾新港地域の複数の物流施設の見学と、地元の物流事業者4人(工藤商事の工藤英人社長、幸楽輸送の不動直樹社長、ジャスト・カーゴの清野敏彦社長、北海道物流開発の斉藤博之会長)による講和が行われた。講和はそれぞれ1時間にわたって行われ、報告会では、物流事業者が語ったことに対し、生徒からの深い理解が示された。講和を行った4人の事業者も参加した。

4人の物流事業者はそれぞれ「自社の概要や事業内容」のほか、「物流の基本的な概念やデータ、先進的な取り組み」「物流がいかに社会生活や経済活動を支えているか」などについて、具体的な事例やエピソードを交えて紹介したほか、さらに踏み込んで、「物流にとって本質に重要なこと」について分析し、伝えようとした。4人に共通していたのは、物流業は、「標準化が求められる」、「情報の管理・運用が何より重要」といった点を強く訴えたことだ。

報告会では、生徒は「ロジスティクス」「サプライチェーン」「フィジカルインターネット」「オープンイノベーション」「最適化」といった言葉の意味や運用における効能などについて理解したことを説明し、「物流は生活に深く関わり、物流が止まると、経済活動も社会生活も困難になる」などと発表。また、配送先の店舗の規模・集積度に合わせてトラックのサイズを変える「新しい物流構造」を考察し、発表した班もあった。

また、生徒から「物流はモノの流れだけでなく、情報を駆使して私たちの元へ届く」、「サイズを統一すること、情報の共有が大事」、「荷物のサイズを統一して標準化する=データ化できる」「規格を統一することで管理をしやすくなる」、「物流は(誰がいつ、どこで何を買うかが分からない)不確実性を前提とした意思決定」、「情報がないと物流が動かず、大切なのは情報共有の速さと正しさ」、「無駄を省くためには客や商品の情報が必要」、「少量多品種の多頻度輸送は、トラックの積載率は低いが、保管費用が抑えられ、トータルのコストが削減できる」、「物流は情報が全てで、需要予測などの情報を持っていると効率化が可能で、利益につなげることができる」―といった感想があった。

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