トータル運輸(二村哲史社長、札幌市北区)を中心とするトータルグループのトータル企画(二村会長、同)はリコーデジタルペインティングのオートボディープリンターを導入し、9月よりダイレクトボディプリント事業を開始した。
オートボディープリンターは道内では2例目となり、道内の運送事業者や業界団体のイメージアップのほか、自治体のイベント紹介・街おこしなどにつなげていきたい考え。
オートボディープリンターは多額の設備投資となるため、導入まで5年程度検討を要した。トータル企画では、もともと各種看板・印刷事業を行っていたため、トラック以外でのニーズもあると判断、また、ラッピングトラックによるPRのニーズも今後より増えてくると考え、導入を決めた。スタッフを外部の研修に長期間行かせ、あわせて社内に専用の施設を設けた。
道内の運送事業者、トラックディーラー、架装メーカーらを呼んで、9月10日に本社敷地内でプリントした自社車両をお披露目した。すでに引き合いもあり、10台近い待ちとなっている。「自社のトラックをプリントする余裕がない状況」(二村社長)という。
トータル企画の宇井直樹係長は「一台一台、超精密に印刷できる。カッティングシートやフィルムを貼付する場合と比べ、仕上がりの美しさ、リベット周りや細かい凹凸、湾曲面などの仕上がりも全然違う。貼ったものが剥がれるという心配もない。中古車のリメイクも可能」と説明。「湿度が高い時は、施設の戸を締め切り、ストーブを焚いてプリントする。そうすると施設内は40℃ほどになるが、仕上がりが綺麗になる。私達は汗だくになるが」と笑う。
二村社長は「設備投資は大型トラック2〜3台分となり、遊びではできない。自社車両にプリントしてアピールするのではなく、道内の運送会社に企業イメージアップの面で活用してもらうことをメーンに考えている。また、地域振興イベントや観光施設などのPRにも貢献できると思っており、現在、いくつかの自治体と話し合いを進めている」とし、「まずは北海道でダイレクトボディプリントを知ってもらいたい。当面は月間10台が目標。北海道でのダイレクトボディプリント事業が順調に進展すれば、関東の拠点にも展開していきたい」と抱負を語る。