鴻池運輸 「新千歳流通センター」開設 7カ所の倉庫を集約

鴻池運輸(鴻池忠彦社長、大阪市中央区)は7月16日、サントリーの飲料製品や、その他企業の日用品などの保管・配送拠点で、流通加工場も完備する新倉庫「新千歳流通センター」を開設したと発表。
7月16日に着工、2021年7月13日に稼働開始し、同15日に竣工式を実施した。投資額は約33億円。延床面積は1万6560㎡(事務所除く)、鉄骨造り2階建て。

これまで同社が使用してきた千歳市近郊の既存倉庫7カ所(賃貸倉庫含む)では、慢性的な満床状態が続いていたため、これを解消するとともに、備蓄も可能な規模の倉庫の必要性が高まったことから、今回の新倉庫建設に至った。
既存倉庫を集約することで、従来拠点間で発生していた輸送が不要となり、CO2排出量削減(16.5トン/年削減予想)、輸送効率化によるドライバーの拘束時間削減(新千歳流通センター全ドライバーの年間削減予想時間合計3400 時間)などの効果を見込んでいる。

快適な作業環境と作業効率の向上を目指しており、次の6点が主な特徴。
①バースを倉庫内に設置したことで、積雪・降雪の影響が大きい冬季でも作業が可能となり、ドライバーやフォークリフトオペレーターにとって厳寒の労働環境を改善。
②倉庫バース・事務所の屋根には、ヒーターを設置、積雪を溶かして排水するため、雪下ろし作業が不要。
③ギフト商品の包装やラベル貼りなどを行う流通加工の作業場は、空調管理された快適な環境を確保。
④倉庫と地面の高さが同じ「低床式」で、1台のフォークリフトで車両からの荷物の積み降ろし~倉庫内搬送まで作業可能。
⑤倉庫内バースで、車両・倉庫間の入出庫作業導線を短縮。また、繁忙を見込む夏季は庇下バースも最大限活用し、さらに倉庫内バースを保管場所として活用するなど、物流波動に応じた荷捌きが可能。
⑥通常シャッターに加えシートシャッターを併設したことで、害虫の侵入や塵・風の吹き込みを抑制し作業効率アップ。

竣工式で鴻池社長は「今回の新センター建設は、既存センターの庫腹不足や老朽化への対応はもちろんですが、BCP体制が担保された常設センターの必要性があること、有事での出荷能力確保により顧客の商品供給を止めないことを理由として決断しました。コロナ禍もいまだ収束せず、自然災害も増加する中、社会の基盤、ライフラインとしての物流の重要性が改めて見直されており、当社は社会の公器としてその務めを果たしてまいります。また今後、新技術によるDXの加速が物流の在り方も大きく変えていく中で、顧客や社会が求める本質をしっかりと理解し、形にしていきたい」とコメントした。

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