北海道の荷主特別対策チーム 「長時間労働改善のきっかけに」

昨年12月に「改善基準告示」が改正されたことに伴い、各都道府県労働局において「荷主特別対策チーム」が編成された。北海道労働局にでも荷主特別対策担当官を中心に荷主特別対策チームが編成され、すでに活動を開始している。北海道の対策チームは75人の体制。北海道労働局の荷主特別対策担当官、労働時間管理適正化指導員をはじめ、各労働基準監督署の労働時間改善指導・援助チームの労働時間相談・支援班の班員などで編成している。

北海道の荷主特別対策担当官を務める金曽恵一氏は「チームは発足したばかりだが、道内でも新設した『長時間の荷待ちに関する情報メール窓口』を含め、色々なところから情報が入っている。また、これまでの調査での情報も活用する。寄せられた情報の件数や内容は公表できないが、今後、情報を精査し、問題があるケースに対しては荷主に働きかけ行なっていく」と語る。
同氏は、北海道労働局労働基準部監督課で統括司法監督官を務めており、荷主特別対策チームの発足に伴い、新たに荷主特別対策担当官に任命された。「寄せられた情報全てに対して動く訳ではないが、チームで『問題があるケース』と判断した際は、働きかけを行う。これは1社からの情報提供でも動く場合がある」と説明する。

改正された改善基準告示について、「現状の取引条件や環境下では順守が極めて難しい」と話す運送事業者は少なくないが、金曽担当官は「現行の基準と比べて、それほど大きく変更されたとは捉えていない。運送事業者は順守を心がけて欲しい」と話す。

発着荷主に起因する長時間労働が解消できない場合などには、同チームが荷主に対して改善に向けた働きかけを行ことになる。「荷主を訪問し、荷待ち時間の改善に努めるよう要請するとともに、改正された改善基準告示を周知する。好事例の紹介やアドバイスも行い、こうした働きかけの後は、アンケートなどを通して対応状況を確認していく予定。国交省側との情報の連携も行う」と述べる。

金曽担当官は「それほど強い権限を持っている訳ではないが、改善基準告示が改正されたこと、また、その中身を知っている荷主は極めて少ないため、労働局が直接要請を行うことで、荷主には一定の影響はあるのではないか。長時間労働改善のきっかけになればと考えている」としている。

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